AI関連特許の売買市場トレンド:2025年版

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

AI技術の急速な発展に伴い、特許の売買動向も日々変化しています。本記事では2025年版として、AI関連発明の特許売買市場の最新トレンドをご紹介します。士業や企業知財担当者、大学の知財・産学連携関係者の皆様にとって有益な情報となれば幸いです。

目次

AI関連特許の売買市場:現状と全体のトレンド

AI分野の特許出願・売買は近年爆発的に増加しています。世界の主要5つの特許庁(IP5)において、2019年以降だけで48万件以上ものAI関連特許出願が公開されており【1】、特に中国の伸びが顕著です。中国では2022年に7万件超のAI特許が公開されており、2019年比で300%増という急成長を見せました【1】。米国でもAI技術の出願件数は年々増加し、2018年以降33%増加したうえに、2023年には全技術分野の60%にAI関連出願が含まれるほど裾野が広がっています【2】。これほど多くの特許が出願・成立する中で、特許の売買・ライセンス市場も活発化しています。

実際、世界の特許ライセンス市場規模は2024年までに1,500億ドル規模に達する見通しとされ【3】、知的財産の経済的価値がかつてなく高まっています。企業各社は、自社の特許を収益化したり競争力強化に活用すべく、積極的に売買やライセンス契約を検討しています。また、特許売買市場は年率7%程度で成長しているとの分析もあり【3】、今後も拡大が予想されます。これらの動向から、AI関連特許は技術革新の担い手であると同時に重要なビジネス資産となっていることが分かります。

生成AI特許の出願・売買トレンド

生成AI(Generative AI)分野は特に近年の注目株で、特許動向にもその勢いが反映されています。OpenAIのChatGPT公開(2022年)以降、生成AIへの関心が急上昇し、2014年に733件に過ぎなかった生成AI関連の特許ファミリー数が2023年には1.4万件超へと約19倍に増加しています【4】。とりわけ2017年に画期的な深層学習モデル(トランスフォーマー)が登場して以降、生成AI特許は800%以上の伸びを示しました【5】。

国別に見ると、生成AI特許の件数では中国が突出しており、2014~2023年の累計で中国発明者による出願が38,210件と、米国(6,276件)の約6倍に達しています【5】。中国に続くのは韓国(4,155件)、日本(3,409件)で、日本は世界第4位の生成AI特許保有国となっています【5】。

特許出願企業ランキングを見ると、上位にはTencent(中国、約2,074件)やPing An保険(中国、1,564件)、Baidu(中国、1,234件)といった中国企業が並び、IBM(米国、601件)がそれに続きます【5】。中国勢の台頭は顕著ですが、IBMやAlphabet/Google、Microsoftといった米国企業も生成AI関連の重要特許を数多く保有しており、それらの技術を基にしたライセンス供与や技術提携が進んでいます。

生成AI分野ではソフトウェア・アルゴリズム系の特許が多いため、特許のクロスライセンスオープンソースとの棲み分けなど、新たな知財戦略も模索されています。

AIチップ特許の現状と売買トレンド

AIの飛躍を支えるハードウェア技術も、特許市場で重要な位置を占めます。AI処理に特化した半導体チップ(AIチップ)や高速演算装置に関する特許は各社がしのぎを削る分野です。

実際、米国特許商標庁(USPTO)で2023年に最も多く特許が成立した技術分野は半導体関連であり、AIは話題の中心ではあるものの特許件数では第4位に留まりました【6】。

主要プレイヤーとしては、Samsung電子(韓国)が2023年に米国で1万件以上の特許登録を達成し、その中にはAIチップやメモリ技術も多く含まれます【6】。米Qualcommや台湾TSMC、米Intel、Nvidiaといった半導体企業もAIハードウェアに関連する膨大な特許ポートフォリオを構築しており、相互にライセンスや特許クロスを行う動きが見られます。また中国企業ではHuaweiやAlibabaがAIチップ設計の特許を強化しており、米中間の技術摩擦下で自国開発を進める狙いもあります。

AIチップ特許の売買は、一企業による買収だけでなく、特許ブローカーやマーケットプレイス上でのポートフォリオ取引としても行われており、高性能半導体の知財確保が各社の死活を分ける状況となっています。

医療AI特許の現状と売買トレンド

医療・ヘルスケア分野におけるAI活用も急速に拡大しており、それに伴い関連特許の出願・取引が増加しています。

例えば直近のデータでは、2024年第3四半期だけで医療業界におけるAI関連特許出願が約2,716件もあり【7】、医療AIが活発に開発・特許化されていることがわかります。

医療AI特許には、画像診断(放射線画像や病理画像の解析AI)、創薬AI(新薬候補の発見アルゴリズム)、患者データ分析(診療記録やゲノム情報のAI活用)など多岐にわたる技術が含まれます。

特許売買の観点から見ると、医療分野では大学や研究機関発のAI技術にも注目です。大学の知財本部や産学連携部門は、研究段階のAI医療技術を特許出願し、製薬・医療機器企業にライセンスアウトすることで実用化・社会実装を図っています。

AIロボティクス特許の売買トレンドと今後の展望

ロボット工学(ロボティクス)の領域でもAI技術の統合が進み、新たな知財動向が生まれています。

特に日本は古くからロボット大国として知られますが、近年はAI技術を搭載した産業ロボットやサービスロボットの開発が加速しており、日本はAIを活用したロボティクスと産業オートメーション分野で突出した強みを示しています【8】。

例えば工場の自動化ロボットにディープラーニングを用いた画像認識システムを組み込む技術や、自律走行型の物流ロボット、AI搭載の人型ロボットなどが次々と開発され、その制御アルゴリズムやセンサー技術に関する特許が出願されています。

AI関連特許の売買市場の課題と戦略

量と質のバランス問題

特許件数の拡大だけでなく、特許の技術的質(引用件数や影響力)も重視されています。少数精鋭型の特許ポートフォリオでも、高い評価を受ける事例が増えています。

戦略的ライセンスとオープンイノベーション

各社、自社のAI特許ポートフォリオを戦略的ライセンスに活用し始めています。他社に実施許諾してロイヤリティ収入を得たり、クロスライセンス契約で互いの技術を融通し合うことで、新規市場参入や製品強化を図る動きが強まっています【9】。
特にAI分野は技術の進歩が早く、単独企業ですべてを開発するのは困難なため、特許を介したオープンイノベーションが重要になっています。

特許訴訟リスクへの備え

AI関連発明の特許化競争が激化した結果、類似技術や権利の重複も増え、AI分野での特許訴訟件数が増加傾向にあります【9】。
大手企業は自社の重要なAI技術を守るために訴訟も辞さず、NPE(特許管理専門企業)も有望なAI特許を買い集めて訴訟ビジネスに活用する動きが出ています。これに対抗して、各社はディフェンシブ特許戦略を強化中です。

M&Aによる特許取得戦略

自社で特許を一から積み上げるだけでなく、有望なAIスタートアップをM&A(企業買収)で取り込む動きも活発化しています。
Apple社が自動運転・画像認識系のAI企業を買収した際、買収対象のスタートアップはいずれも20件前後の特許資産を保有していたことが知られています【10】。

また、1998年以降に世界で434社以上のAI企業が買収され、その半数以上が2016年以降に集中しています【11】。
このデータからも、近年AIブームの中で特許ごと企業を買う動きが加速していることが読み取れます。

まとめ

AI特許売買市場は今後ますます拡大・進化していきます。生成AI、チップ、医療、ロボティクスといった各領域で特許取引が活発化し、ビジネス上の武器としての重要性も高まっています。
専門家としては、常に最新の市場動向を把握し、柔軟な知財戦略を構築することが求められます。

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(この記事はAIを用いて作成しています。)

参考文献リスト

  1. Hanna Moore, “AI – Worldwide patenting on the rise?”, HLK, September 2024
    https://www.hlk-ip.com/ai-worldwide-patenting-on-the-rise/
  2. Womble Bond Dickinson, “USPTO Announces New Effort to Promote AI and Emerging Technologies”, Nov 2023
    https://www.womblebonddickinson.com/us/insights/alerts/uspto-announces-new-effort-promote-ai-and-emerging-technologies
  3. Bao Tran, “Patent Licensing Statistics: Trends and Insights for 2024”, PatentPC, Mar 31, 2025
    https://patentpc.com/blog/patent-licensing-statistics-trends-and-insights-for-2024/
  4. WIPO, “Patent Landscape Report – Generative AI: Key findings”, 2023
    https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo-pub-1062-2023-en-generative-ai.pdf
  5. Dagens, “Generative AI Patent Race: China Leads, US Trails”, 2024
    https://dagens.com/generative-ai-patent-race-china-leads/
  6. Semiconductor Digest, “Semiconductor Tech Received Most Granted Patents in 2023”, Jan 26, 2024
    https://www.semiconductordigest.com/semiconductor-tech-received-most-granted-patents-in-2023/
  7. GlobalData (hospitalmanagement.net), “AI patent filings in healthcare industry Q3 2024”, Oct 25, 2024
    https://hospitalmanagement.net/news/ai-patent-filings-healthcare-q3-2024/
  8. Bao Tran, “Recent Trends in AI Patents 2024 Update”, PatentPC, Apr 19, 2025
    https://patentpc.com/blog/recent-trends-in-ai-patents-2024-update/
  9. Bao Tran, “Recent Trends in AI Patents 2024 Update”, PatentPC, Apr 19, 2025
    https://patentpc.com/blog/recent-trends-in-ai-patents-2024-update/
  10. M. Loney, “Did AI Patents Help AV/EV Companies get Acquired by Apple?”, NatLawReview, Oct 13, 2023
    https://www.natlawreview.com/article/did-ai-patents-help-avev-companies-get-acquired-apple
  11. GreyB Insights, “Companies with most AI Patents – Key Insights and Stats”, 2021
    https://www.greyb.com/ai-patents-key-insights/
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