AIは発明者になれるのか?—DABUS判決に見る法的課題

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近年の人工知能(AI)技術、とりわけ大規模言語モデルや生成AIの大規模な普及と高度化により、AIが自律的に新しい技術的アイデアや工業デザインを生み出す時代が現実のものとなっています。これに伴い、世界の知的財産分野において「AIは特許法上の発明者になれるのか?」という極めて根本的かつ重要な法的課題が浮上しています。本記事では、世界的な波紋を呼び続けているスティーブン・テイラー博士のAIシステム「DABUS(ダバス)」の特許出願訴訟を中核的な題材として取り上げ、米国、欧州、英国、オーストラリアなどにおける最新の海外動向や、日本の特許法体系との明確な違いについて詳細に解説します。さらに、2025年の日本の知的財産高等裁判所による画期的な判決や、2026年の各国の司法判断を踏まえ、生成AI時代に誰が発明者として記載されるべきか、その法解釈と実務的な対応策を深く探求してまいります。
企業や個人発明家にとって、莫大な時間とコストをかけて生み出された最先端の技術を適切に権利化し、事業成長の原動力とする「知財の収益化」は、今日の激しいグローバル経済競争において極めて重要なテーマです。とりわけ、AIを活用して創出された画期的な発明を実際の利益に結びつけるためには、権利の帰属や発明者の認定といった複雑な法的要件を正確に満たし、他社の追随を許さない強固な特許網を戦略的に構築することが求められます。こうした価値ある特許権の有効な活用手段として、特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」では、特許権の売買又はライセンスの希望者に無料で登録することを強く推奨しています。ご関心のある方は、PatentRevenueのURL「 https://patent-revenue.iprich.jp/#licence 」からぜひご登録ください。このような専門的なプラットフォームを積極的に活用することにより、自社内に眠っている未活用の知的財産から、ライセンス収入や売却益といった新たな収益源を継続的に創出することが可能となります。
生成AIの進化と特許法における発明者の定義
歴史的に見て、世界各国の特許法制度は「人間の知的創造活動」を保護し、奨励することを目的に設計されてきました。日本の特許法においても、発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されており、この創作活動を行う主体は暗黙のうちに、あるいは明示的に「自然人(生きている人間)」であることが前提とされてきました。しかし、21世紀に入り、ディープラーニングやニューラルネットワークを基盤とするAI技術が飛躍的な進化を遂げたことで、この伝統的な前提が大きく揺らいでいます。
現代の生成AIは、単に人間が入力したプログラム通りに動作するだけでなく、膨大なデータを自ら学習し、推論を行い、人間が思いつかないような新規かつ進歩性のある解決策を提示する能力を備えるようになりました。例えば、新薬の分子構造の設計、効率的な機械部品の形状最適化、新しい通信アルゴリズムの開発など、これまで高度な専門知識を持つ人間の技術者にしか不可能とされていた領域において、AIが主導的な役割を果たす事例が急増しています 。
このような状況下において、「特許法における発明者は誰か」という問いは、単なる哲学的な議論にとどまらず、莫大な経済的価値を生み出す知的財産の権利帰属を決定する極めて実務的な課題となっています。特許権という強力な独占排他権を付与するためには、権利の発生源である「発明者」が法的に明確でなければなりません。仮にAIが発明者として認められない場合、AIが生み出した有用な技術は誰の所有物になるのか、あるいは誰のものにもならずパブリックドメイン(公共の財産)に帰するのかという重大な懸念が生じます。この法的な空白地帯に対して、世界で最も先鋭的な一石を投じたのが「DABUS」プロジェクトでした。
世界的波紋を呼んだDABUS(ダバス)特許出願の背景
AIと知的財産権の交差点を象徴する最も著名な事例が、米国の研究者であるスティーブン・テイラー博士(Dr. Stephen Thaler)が主導する「DABUS(ダバス)」を巡る一連の国際的な特許出願訴訟です。DABUSとは「Device for the Autonomous Bootstrapping of Unified Sentience(統一された感覚の自律的ブートストラップのためのデバイス)」の略称であり、テイラー博士が開発した高度な人工知能システムです 。
テイラー博士によれば、DABUSは特定の課題を与えられなくても、自律的に思考を展開し、新規なアイデアを生み出すことができるとされています。実際にDABUSは、特殊なフラクタル形状を持つ食品容器(Fractal Container)と、緊急時に人間の注意を引くために特定のパターンで点滅する発光ビーコン(Neural Flame)という2つの発明を、人間の介入なしに独自に考案しました 。
2018年から2019年にかけて、テイラー博士はこれらの発明について、欧州特許庁(EPO)、英国知的財産庁(UKIPO)、米国特許商標庁(USPTO)、日本国特許庁(JPO)、オーストラリア知的財産庁など、世界各国の主要な特許当局に対して特許出願を行いました。その際、彼は意図的に人間の名前を発明者として記載せず、出願書類の発明者欄に「DABUS」というAIの名称を記載しました 。
テイラー博士の主張の核心は、「AIが人間の助けを借りずに自律的に考案した以上、事実に基づく真の発明者はAI(DABUS)である」という点にあります。さらに彼は、「自分はDABUSの所有者および開発者であるため、AIが生み出した成果物(発明)に対する特許を受ける権利は、所有者である自分に自動的に継承されるべきである」という独自の法理論を展開しました 。この出願は、世界中の特許当局に対して「法的人格を持たない機械に発明者としての地位を認めるか」という、かつてない究極の問いを突きつけることになったのです。
イギリス(英国)における最高裁判決と2025年の分割出願を巡る動向
英国におけるDABUS訴訟は、AI発明者性を巡る法解釈の変遷を最も詳細に追うことができる重要なケーススタディです。テイラー博士の出願に対し、英国知的財産庁(UKIPO)は、1977年英国特許法第7条および第13条(2)の規定に基づき、「AIは人ではないため発明者にはなり得ない」として出願を拒絶しました 。
この決定を不服としたテイラー博士は英国の裁判所に提訴しましたが、高等法院(High Court)、控訴院(Court of Appeal)を経て、最終的に2023年12月、英国最高裁判所(Supreme Court)はUKIPOの決定を支持する歴史的な判決を下しました 。最高裁判所は、特許法が規定する「発明者」とは自然人(自然人)でなければならず、機械やシステムは特許法上の発明者としての適格性を欠くと明確に結論付けました。また、AIが特許を受ける権利を人間に譲渡することも法的に不可能であるとされました 。
しかし、テイラー博士の法的な挑戦はこれで終わりませんでした。最高裁判決の前後にあたる期間において、彼はUKIPOに対してDABUS発明の「分割出願」を行っていました。2024年に入り、最高裁判決で「AIは発明者になれない」ことが確定した直後、テイラー博士は驚くべき行動に出ます。彼は分割出願の発明者申告書を修正し、今度は発明者として「テイラー博士自身」の名前を記載したのです 。彼は、「伝統的な基準では自分は発明者とは言えないが、最高裁の判決によりAIが発明者になれないのであれば、DABUSの所有者である自分が法的に発明者となるべきである」と主張しました 。
この新たな試みに対し、UKIPOは「テイラー博士は過去一貫して『自分は発明に貢献していない』と明言しており、後になって自分を発明者とする申告は明らかに矛盾しており欠陥がある」として、この分割出願も取り下げとみなす決定を下しました 。テイラー博士は再び英国高等法院に控訴しましたが、2025年9月、高等法院はUKIPOの判断を支持し、テイラー博士の訴えを棄却しました。裁判官は、法定の期間内に適切な人間を発明者として指定しなかったこと、そして自己の過去の陳述と矛盾する補正は認められないことを指摘し、現行法の枠組みの限界を示しました 。この一連の動きは、法制度の隙間を突こうとする出願人の試みと、法文の厳格な解釈を維持する司法の対立を鮮明に描いています。
欧州特許庁(EPO)の審判部決定と米国・オーストラリアの司法判断
欧州大陸における特許審査の総本山である欧州特許庁(EPO)でも、DABUSの出願は厳格な法的審査に直面しました。EPOの受理部門が出願を拒絶した後、テイラー博士は審判部(Legal Board of Appeal)に不服を申し立てました。しかし、審判部は「J 0008/20」および「J 0009/20」という決定において、受理部門の判断を支持し、出願を正式に拒絶しました 。
EPO審判部は、欧州特許条約(EPC)第81条および規則19(1)の規定を詳細に分析し、特許制度において発明者として指定される主体は「権利能力を有する自然人」でなければならないと結論付けました 。機械を単に発明者として指定することは、これらの要件を満たさないとされたのです。さらにテイラー博士は、「自分はAIシステムの所有者および創造者であるため、特許を受ける権利を有する」という予備的請求も行っていました 。これに対しても審判部は、機械は財産権を保有できず、権利を他者に法的に譲渡する能力を持たないため、EPC第60条(1)が定める権利継承の要件を満たすことはできないと判断しました 。なお、欧州では関連する他の分割出願についても争いが続いており、2026年2月5日には新たな審判(T0528/25-3.2.07)の口頭審理が予定されるなど、司法手続きが継続しています 。
オーストラリアにおいても、激しい法廷闘争が繰り広げられました。第一審の連邦裁判所では一時的に「AIを発明者と認める余地がある」とする画期的な判決が出され世界を驚かせましたが、その後の連邦フルコート(控訴審)においてこの判断は覆されました 。フルコートは、1990年オーストラリア特許法の規定および根底にある政策を考慮し、「特許の付与を受ける権利は、自然人の精神から生じた発明に基づくものである」と判示し、AIの発明者性を否定しました。最終的に高等裁判所への上告も退けられ、オーストラリアにおけるDABUSの挑戦は幕を閉じました 。
さらに米国でも、米国特許商標庁(USPTO)の拒絶査定を不服として連邦地方裁判所、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)へと争われましたが、いずれも「特許法上の発明者(個人)とは自然人を指す」としてテイラー博士の訴えを退けました 。また、2026年にはイスラエルの地方裁判所においても、世界的なコンセンサスに同調する形でAIの発明者性を否定する判決が下されており、カナダでも2026年中に連邦裁判所による重要な判決が予定されています 。
例外的なアプローチを示したのがスイスです。2025年7月、スイス連邦行政裁判所は、DABUS自体を発明者として登録することは現行法上認められないとしながらも、AIを訓練し、適切なデータを提供し、生成された出力結果の中から特許性のある技術的解決策を「認識」したテイラー博士自身を、発明者として登録することは容認するという独自の判断を下しました 。この判決は、AI生成物に対して人間がどのように関与すれば発明者として認められるかという「人間の関与の閾値」に一つの現実的な解決策を示すものとして、国際的に高く評価されています 。
日本におけるDABUS特許出願と2025年知財高裁判決の論理
日本国内においても、DABUSの特許出願は特許制度の根幹に関わる大きな議論を巻き起こしました。日本国特許庁(JPO)は、特許法第36条1項2号が「発明者の氏名」の記載を求めていることを根拠に、AIを発明者とする出願を却下しました。テイラー博士はこれを不服として東京地方裁判所に提訴しましたが、令和5年(2023年)の判決(令和5年(行ウ)第5001号)において、特許法上の発明者は自然人に限られるとして請求が棄却されました 。
その後、舞台は知的財産高等裁判所(知財高裁)へと移り、2025年(令和7年)1月30日、知財高裁は日本におけるAI発明者論争に対する決定的な判決(令和6年(行ケ)第10023号)を下しました 。この判決において知財高裁は、特許法全体を体系的に解釈し、現行法上、AIを発明者として認めることは一切できないとする明確な論理を展開しました。
知財高裁の判断の柱は以下の通りです。第一に、特許法第36条1項2号の「発明者の氏名」という文言は、文字通り自然人の氏名を指すものであり、規定自体が発明者が自然人であることを当然の前提としていると指摘しました 。第二に、特許法第29条1項は「発明をした者は、その発明について特許を受けることができる」と定めていますが、特許を受ける権利の原始的な帰属主体となるためには権利能力が必要であり、法人格を有さないAIは権利の帰属主体にはなり得ないと判断しました 。第三に、企業内での発明を規定する特許法第35条(職務発明)も、「従業者等」という自然人を前提として組み立てられており、AIを想定したものではないと結論付けました 。
この裁判においてテイラー博士側は、これまでの海外訴訟と同様の主張に加え、日本の「民法」を用いた極めてユニークな法理論を展開しました。具体的には、民法第89条に基づく「果実取得権」の論理を援用し、自分が所有するAI(元物)が生み出した発明(果実)は、所有者である自分に当然に帰属するはずだと主張したのです 。しかし知財高裁は、この主張を真っ向から退けました。裁判所は、特許法が保護する「発明」とは技術的思想という「情報(無体物)」であり、民法上の果実取得権が対象とする「有体物」には該当しないと指摘しました。したがって、有体物を前提とする民法の規定を、無体物である発明の権利帰属にそのまま類推適用することは法的に許されないと判断したのです 。
これにより、日本においても「AIは発明者になれない」「AIの所有者というだけでは権利を継承できない」という司法判断が最高レベルの裁判所で確定的なものとなりました。
司法から立法へのメッセージ:生成AI時代の法整備と国際調和
知財高裁の判決は、現行法の厳格な解釈にとどまらず、日本の立法府に対する異例とも言える強いメッセージを含んでいました。判決文の中で裁判所は、AI技術が人間の介入なしに「自律的に発明を生み出す」という事態は、現行の特許法が全く想定していなかった新しい社会構造の変化であると率直に認めました 。
その上で、現行法の枠組みで無理に解釈を拡張するのではなく、AI発明に係る制度設計は、産業振興や経済成長への影響を踏まえ、国民的議論による民主主義的なプロセス(すなわち国会による立法)に委ねるべきであると明言しました 。また、グローバルなビジネス環境において、各国で特許制度の扱いが異なると企業の国際競争力に悪影響を及ぼすため、国際的な制度調和(ハーモナイゼーション)の観点からも、体系的かつ合理的な仕組みを早期に立法論として検討することが相応しいと提言しました 。
この司法からの強い要請に対し、日本政府も迅速に動き出しています。政府の知的財産戦略本部が策定した「知的財産推進計画2025」においては、生成AIが関与する発明の取り扱いや、発明者性のあり方が最重要課題の一つとして位置づけられました 。同計画では、AIそのものを発明者と認めるか否かという議論に加え、より現実的な問題として「人間の関与のあり方」に焦点を当てています。
具体的には、生成AIを用いた発明プロセスには、AIの基盤モデルを開発した「AI開発者」、特定の専門領域に向けてAIを微調整(ファインチューニング)した「データエンジニア」、実際の業務でAIに対してプロンプトを入力した「ユーザー」、そしてAIが出力した無数のデータの中から技術的課題を解決する有用なものを見つけ出し、検証した「評価者」など、複数の人間が関与することが想定されます 。政府は、産業構造審議会の特許制度小委員会等を通じて、これらの多様な関係者のうち誰を発明者(または共同発明者)として認めるべきか、その基準の明確化に向けた議論を急ピッチで進めています。
米国特許商標庁(USPTO)の2026年最新ガイダンスと人間の関与の基準
日本が制度設計の議論を進める中、米国特許商標庁(USPTO)は実務的な対応を先行させ、2026年2月10日に「改訂版 AI支援発明に関する発明者地位ガイダンス」を公表しました 。このガイダンスは、AIを利用して生み出された発明であっても、人間に十分な貢献があれば特許権を取得できることを明確にし、その具体的な判断基準を示したものです。
米国特許法における発明者の認定には、伝統的に「Pannuファクター(Pannu v. Iolab Corp判決に由来する基準)」と呼ばれる審査基準が用いられます。USPTOの最新ガイダンスは、このPannuファクターをAI関連発明にも適用することを宣言しました 。ここで最も重要な概念となるのが「着想(Conception)」です。発明者の地位が認められるためには、発明者の心の中に、将来実際に適用可能な、完全かつ有効な発明についての明確なアイデア(着想)が形成されていなければなりません 。
ガイダンスでは、実務上陥りやすい具体的なケーススタディが示されています。例えば、人間の技術者が生成AIに対して「新しいトランスアクスル(変速機)の設計案を提示してほしい」という一般的な目標やプロンプトを与え、AIが出力した設計図をそのまま特許請求の範囲(クレーム)として出願した場合、どうなるでしょうか。この場合、人間は単に一般的な目標を持っていただけであり、具体的な解決策の「着想」はAIが行ったとみなされます。したがって、この技術者には発明者としての地位は認められません 。
一方で、AIが出力した設計案に対して、技術者が自身の専門知識に基づいて技術的な課題や欠陥を認識し、プロンプトを高度に工夫して対話を繰り返したり、出力結果に対してさらなる技術的な改良や検証を加えた上で最終的なクレームを構築した場合の評価は異なります。このケースでは、人間がAIの出力を単に受け入れたのではなく、自らの心の中で解決策を形成し、実質的な貢献(着想)を行ったと評価され、適法な発明者として認められることになります 。スイスの裁判所が示した「テイラー博士による結果の認識と評価」を発明と認めた論理も、このUSPTOの「着想」の評価基準と軌を一にするものであり、今後の国際的な実務の標準となっていく可能性が高いと考えられます。
企業の知財戦略:AI関連発明の保護と知財の収益化に向けた実務対応
以上のような各国の法的な現状と国際的な動向を踏まえ、企業の知財部、法務部、および研究開発部門は、AIを活用したイノベーションから確実な「知財の収益化」を実現するための新たな知財戦略と社内体制の構築を急ぐ必要があります。AIが業務に深く浸透する中、従来の発明管理手法を踏襲するだけでは、貴重な発明が特許化できず、競合他社に技術を模倣されるリスクが高まります 。
第一の実務対応として、研究開発の現場においてAI(特に大規模言語モデルや生成AI)を利用する際の、社内ガイドラインの策定と厳格な記録管理が急務です。特許出願を想定するプロジェクトにおいては、AIから得られた出力を単なる「ヒント」や「初期の叩き台」として位置づけ、人間がそこにどのような技術的検証、設計変更、あるいはデータの取捨選択を加えたかを詳細に記録する体制が求められます 。誰がどのような意図を持ってプロンプトを入力したか、AIの出力をどのように評価・修正したかという「プロンプトノート(履歴)」や「実験過程の記録」を日常的に保存しておくことは、将来的に特許庁の審査官から人間の関与を問われた際や、第三者との間で権利帰属を巡る訴訟に発展した際に、人間の発明者性と着想を証明するための極めて強力な証拠となります 。
第二に、共同発明者の認定プロセスをAI時代に合わせてアップデートすることです。上述の通り、生成AIを用いた発明には多様な技術者が関与する可能性があります。AIモデル自体の構造を最適化したエンジニア、学習データをキュレーションした専門家、そして出力結果を実際の製品に応用可能だと判断したプロジェクトリーダーなど、それぞれの貢献度を適切に評価し、共同出願人・共同発明者として漏れなくリストアップする社内の評価スキームを構築する必要があります。
第三に、強靭な特許ポートフォリオの構築と、それをベースとした戦略的な収益化への展開です。AIが関与する技術を保護するためには、単一の特許に依存するのではなく、多角的な視点から権利化を図る必要があります。例えば、AIのアルゴリズムそのもの(ソフトウェア特許)、AIに入力するためのデータの前処理方法、AIを組み込んだ最終製品のシステム構成、さらにはAIが生み出した新しい化合物や素材そのもの(物質特許)など、様々な角度から重層的に特許網(ポートフォリオ)を張り巡らせることが推奨されます 。
十分な人間の関与を客観的に証明できる体制の下で取得された強力なAI関連特許は、他社に対するライセンス交渉において圧倒的に有利なカードとなります。さらに、自社での製品化に限定せず、PatentRevenueのような特許売買・ライセンスプラットフォームを活用することで、異業種の企業に対してAI活用技術のライセンス供与を行ったり、非中核事業の特許を売却して新たな研究開発資金を獲得したりといった、柔軟かつアグレッシブな知財の収益化戦略を展開することが可能になります 。
結論として、DABUSの事例は「現行法ではAI自体は発明者になれない」という事実を世界に知らしめました。しかし、これはAIの利用が知的財産の創出を阻害するという意味ではありません。むしろ、AIという強力なツールをいかに使いこなし、そこに人間の高度な専門知識と「着想」をいかに組み合わせるかが、次世代のイノベーションの鍵を握っています。技術と法律の過渡期にある今こそ、最新の判例や特許庁のガイダンスを熟知し、AI技術を最大限に活用した知財戦略を推進する企業が、未来の市場において真の勝者となるでしょう。
(この記事はAIを用いて作成しています。)
1 J 8/20: EPO’s Board of Appeal provides written decision and reasons reconfirming AI cannot be named as inventor on European patent applications https://www.mathys-squire.com/insights-and-events/news/j-8-20-epos-board-of-appeal-provides-written-decision-and-reasons-reconfirming-ai-cannot-be-named-as-inventor-on-european-patent-applications/
2 Understanding the Intersection of AI and Patent Monetization https://xlscout.ai/understanding-the-intersection-of-ai-and-patent-monetization/
3 DABUS case status US UK EU Australia February 2026 https://artificialinventor.com/patent/
4 The latest news on the DABUS patent case https://www.ipstars.com/NewsAndAnalysis/the-latest-news-on-the-dabus-patent-case/Index/7366
5 Updated AI invention denied patent in DABUS case https://gowlingwlg.com/en/insights-resources/articles/2021/updated-ai-invention-denied-patent-in-dabus-case
6 High Court rejects new bid over Thaler’s AI invention patent https://www.pinsentmasons.com/out-law/news/high-court-rejects-thaler-ai-patent-bid
7 Does UK patent law need updating to account for AI? One recent decision of the UK High Court suggests it does https://www.schlich.co.uk/does-uk-patent-law-need-updating-to-account-for-ai-one-recent-decision-of-the-uk-high-court-suggests-it-does/
8 UK Supreme Court issues milestone judgment AI software patentability https://ipwatchdog.com/2026/02/11/uk-supreme-court-issues-milestone-judgment-ai-software-patentability/
9 Thaler’s AI patent application confirmed deemed withdrawn by High Court https://www.hsfkramer.com/notes/ip/2025-09/thalers-ai-patent-application-confirmed-deemed-withdrawn-by-high-court
10 UK High Court reaffirms AI cannot be inventor https://www.jakemp.com/knowledge-hub/uk-high-court-reaffirms-ai-cannot-be-inventor/
11 Australian High Court pulls plug on landmark DABUS AI patent application https://www.pinsentmasons.com/out-law/news/australian-high-court-pulls-plug-on-landmark-dabus-ai-patent-application
12 Press communiqué on decisions J 8/20 and J 9/20 of the Legal Board of Appeal https://www.epo.org/en/law-and-practice/boards-of-appeal/communications/press-communique-decisions-j-820-and-j-920-legal
13 J 0008/20 (Designation of inventor/DABUS) 21-12-2021 https://www.epo.org/en/boards-of-appeal/decisions/j200008eu1
14 EPO Board of Appeal decision J0008/20 on AI inventor DABUS https://www.williamspowell.com/news/epo-board-of-appeal-decision-j0008-20-on-ai-inventor-dabus-commentary-by-robert-jehan?tmpl=component&print=1&format=print
15 Full EPO Appeal Board decision rejecting claims that AI is inventor published https://content.next.westlaw.com/practical-law/document/I1d89a8c9fdae11ec9f24ec7b211d8087/Full-EPO-Appeal-Board-decision-rejecting-claims-that-AI-is-inventor-published-European-Patent-Office?viewType=FullText&transitionType=Default&contextData=(sc.Default
16 European Patent Office update February 2026 https://www.lewissilkin.com/insights/2026/02/17/european-patent-office-update-february-2026-102mi9a
17 DABUS Update: Australian Appeal Court denies AI inventor status https://dcc.com/news-and-insights/dabus-update-australian-appeal-court-denies-ai-inventor-status/
18 Israel District Court affirms AI systems cannot be recognized as inventors under patent law https://herzoglaw.co.il/en/news-and-insights/israel-district-court-affirms-ai-systems-cannot-be-recognized-as-inventors-under-patent-law-thaler-v-commissioner-of-patents/
19 AI inventor coming to Canada? Maybe not. https://www.dalelessmann.com/ai-inventor-coming-to-canada-maybe-not/
20 AI cannot be an inventor: Swiss court clarifies status of AI-generated inventions in patent law https://www.lenzstaehelin.com/news-and-insights/browse-thought-leadership-insights/insights-detail/ai-cannot-be-an-inventor-swiss-court-clarifies-status-of-ai-generated-inventions-in-patent-law/
21 令和5年(行ウ)第5001号 判決 理由 AI 発明者 自然人 https://www.soei.com/%E7%89%B9%E8%A8%B1%E3%80%80%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%95%E5%B9%B4%EF%BC%88%E8%A1%8C%E3%82%ウ%EF%BC%89%E7%AC%AC%EF%BC%95%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BC%91%E5%8F%B7%E3%80%8C%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B3/
22 知財高裁 令和6年(行ケ)第10023号 判決 理由 https://jpaa-shikoku.jp/column/2025/04151129.html
23 生成AI 発明者性 人の関与 基準 知財高裁 2025 https://yorozuipsc.com/uploads/1/3/2/5/132566344/54b90ccc29b4e6a57ac3.pdf
24 知財高裁 令和6年(行ケ)第10023号 判決文 詳細 理由 https://www.soei.com/%E7%89%B9%E8%A8%B1%E3%80%80%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%88%E8%A1%8C%E3%82%B1%EF%BC%89%E7%AC%AC%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%93%E5%8F%B7%E3%80%8C%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%87%A6/
25 特許庁 AI関連発明の審査事例 https://www.softic.or.jp/index.php/publication/WLN/20240315-1130
26 特許法 改正 AI発明 議論 最新状況 2026年2月 https://knpt.com/contents/cafc/2026.02.10-2.pdf
27 Patent Strategies in the AI Era https://www.evalueserve.com/blog/patent-strategies-in-the-ai-era/
28 AI as Intellectual Property: A Strategic Framework https://oceantomo.com/insights/ai-as-intellectual-property-a-strategic-framework-for-the-legal-profession/
29 Patent Monetization Strategies Introduction https://sagaciousresearch.com/blog/patent-monetization-strategies-introduction
30 AI Invention Monetization Patent Strategies https://ir.law.utk.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1713&context=transactions

