特許で稼ぐ収益モデルと戦略

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

本記事では、「特許で稼ぐって実際どうするのか?」という疑問にお答えします。特許の基本を押さえたうえで、ライセンス収入・特許売却・共同事業・クロスライセンス・特許担保融資など多彩な特許収益モデルを国内外の事例とともに解説し、経営者や起業家の皆様が取り得る戦略を整理します。特許を眠らせずに収益へ転換する具体的な視点を提供しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

特許収益モデルとは何か?

特許権は新しい発明に与えられる独占的権利で、出願日から基本二十年間保護されます(1)。権利を取得しただけでは収益は生まれず、発明を実施して製品化するか、他社に利用させて対価を得ることで初めてキャッシュフローが発生します(2)。この「権利をビジネスに結び付ける仕組み」こそが特許収益モデルです。近年は製造業だけでなくソフトウェアやバイオ、環境技術など多様な領域で知財戦略の重要性が増し、世界の知財収益市場規模は十年間で約二倍に拡大したとされます(12)。企業は研究開発費を回収するだけでなく、競争力確保・資金調達・M&Aバリュエーション向上など広範な経営メリットを期待できます。

特許収益モデル:ライセンス収入

ライセンス収入モデルでは、特許権者が他社に発明の実施を許諾し、ライセンス料を得ます(3)。契約形態は、単一ライセンシーに独占的に許諾する専用実施権と、複数社に許諾できる通常実施権の二系統が主流です。支払方法は契約時一括のイニシャルフィーと、売上や数量に応じるランニングロイヤリティの組み合わせが一般的で、最低保証額や前払ロイヤリティを設けることもあります(3)。

米IBMは特許ライセンスで長年毎年十億ドル規模を稼ぎ、研究開発費の回収と未来技術への再投資サイクルを確立しています(4)。Qualcommは無線通信規格の必須特許群を武器に、二〇二一年度に約八十二億ドルを得たとの報告があります(7)。日本企業でもトヨタがハイブリッド技術で年千億円超、キヤノンがプリンタ関連技術で約二百億円超のライセンス収入を確保しているとされます(6)。大学でもライセンス型技術移転が拡大し、スタンフォード大学はDNA組換え技術で累積三十億ドル超の収入を得たとされています(13)が、日本の大学は米国の五十分の一程度に留まり、潜在的な伸びしろは大きいと指摘されています(9)。

ライセンス交渉を成功させるには、技術分野でニーズを持つ企業リストを作成し、独占か非独占か、地域・用途制限、料率、ミニマムロイヤリティ、監査条項などを丁寧にデザインすることが不可欠です。特許価値評価手法(インカムアプローチ、マーケットアプローチ、コストアプローチ)の導入も効果的で、専門家の支援を受けることで交渉力を高められます。

特許収益モデル:特許の売却

特許売却は特許権を完全に譲渡し、売買代金を得るモデルです(5)。資金を一括で得られる一方、権利を手放すため将来のキャッシュフロー機会を失う可能性があり、ポートフォリオ戦略上の慎重な判断が求められます。

破産手続き中のノーテルは六千件の特許を四十五億ドルで売却し債権者弁済原資を得ました(5)。コダックもデジタル画像特許を五億二千五百万ドルで売却して経営再建の足掛かりとしました(5)。近年ノキアは不要特許をファンドへ売却し、管理コスト削減と利益確定を図っています(10)。日本でもオンライン市場IPmarketPatentRevenueのようなマッチングプラットフォームが整い、中小企業・大学が眠れる特許を気軽に流通させる環境が整備されつつあります(11)。

売却価格を最大化するには、市場規模、代替技術の有無、残存期間、訴訟リスク、登録国数など多角的指標で価値評価するとともに、複数候補に競合入札させるプロセスが有効とされます。また、契約に「実施権留保」や「再譲渡時の一定料率還流」などを盛り込めば、売却後の追加収入も期待できます。

特許収益モデル:共同事業による活用

共同事業モデルでは、自社特許を核に他社と事業を共同推進し、利益を分け合います(6)。バイオ医薬、クリーンテック、IoTプラットフォームなど高い開発コストが必要な領域で特に有効です。大学発ベンチャーが創薬シーズ特許を提供し、大手製薬企業と共同で臨床開発し、成功すれば売上利益を分配するスキームが典型例です。マイルストーン契約金、開発協力費、上市後ロイヤリティ、株式持ち分など多層的リターンが設計可能で、成功時の収益規模はライセンス単独モデルを上回る場合もあります。

契約設計では、研究開発費負担割合、知財帰属、追加特許の共同出願、有事の契約解除、各国販売権の分配など合意事項が多岐にわたります。交渉の初期段階で、ゴール設定(IPO、M&A、市販薬上市など)と資金ロードマップを共有し、途中段階での選択権(オプション)設定を行うことがリスクマネジメント上有効です。

特許収益モデル:クロスライセンスと戦略的提携

クロスライセンスは企業同士が特許を相互許諾し合い、相手技術を安心して使える環境を構築するモデルです(3)。支払いが無い場合も多いものの、訴訟コスト回避や製品開発スピード向上により間接的利益が大きく、家電・半導体・自動車・スマートフォンなど複数技術が融合する産業で頻用されます。例えばIntelとAMDは包括クロスライセンスにより数十年間競争と協調を両立させました。また、ソニーとサムスンもディスプレイ技術でクロスライセンス関係を築いています。

標準必須特許ではパテントプールが組成されるケースが多く、MPEG LAやVia Licensingの映像・音声圧縮プールでは数十社の特許を一括ライセンスし、権利者へ収益を分配しています(6)。近年5G通信規格では、Avanciが自動車向け5Gパテントプールを立ち上げ、コネクテッドカー市場拡大を後押ししています(13)。パテントプールは中小企業でも参加でき、単独交渉が難しい場合に有力な収益化ルートとなり得ます。

特許収益モデル:特許担保融資と資金調達

近年注目を集めるのが特許担保融資(IPファイナンス)という収益モデルです。これは保有特許を担保に金融機関や投資ファンドから融資を受け、事業拡大や研究開発に充てる手法です。米国では二〇二四年時点でIP担保融資市場が年間七百億ドル規模に達し、スタートアップから大企業まで活用が広がっています(12)。日本でも大手メガバンクが「知財ビジネス評価融資」を提供し、特許・商標・ノウハウなどを総合評価して資金化する事例が増えています。

特許担保融資を成功させるポイントは、特許の価値を客観的に示す評価レポートと、事業計画における知財の活用位置づけを明確にすることです。融資契約では、特許の担保設定、維持費や権利行使義務、デフォルト時の権利処分方法などを定めます。特許が更新・追加されるたびに担保資産価値が向上するため、シンジケーションローンや社債化により大型資金を調達するケースもあります。特許担保融資は資金コストこそ発生しますが、株式希薄化を避けつつ資金を確保できる点で、IPO前スタートアップにも有効なオプションです。

おわりに:特許収益モデル活用のすすめ

本稿では、特許を活用した多彩な特許収益モデルを網羅的に紹介しました。特許を取得した企業は、自社製品売上に依存しないキャッシュフロー源を構築し、研究開発費を短期回収し、資金調達手段を多角化できます。市場や技術トレンドの変化が激しい現代こそ、特許戦略は経営戦略そのものです。

まず、自社ポートフォリオを棚卸しし、①中核技術として保持すべき特許、②他社と協業・ライセンスすべき特許、③売却・担保化して資金化すべき特許を選別しましょう。その上で、専門家ネットワークと公的支援を活用しながら、最適な収益モデルを組み合わせることが重要です。特許は「守りの盾」であると同時に「攻めの槍」でもあります。眠れる権利を資産へと転換する一歩を、今回の情報が後押しできれば幸いです。

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(この記事はAIを用いて作成しています。)


参考文献

  1. 経済産業省 特許庁「初めてだったらここを読む~特許出願のいろは~」 https://www.jpo.go.jp/system/basic/patent/index.html
  2. WIPO “Patents – Frequently Asked Questions” https://www.wipo.int/patents/en/faq_patents.html
  3. WIPO “Successful Technology Licensing” https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/licensing/903/wipo_pub_903.pdf
  4. Ed Scannell「IBM drops from top spot in patents, surpassed by Samsung」TechTarget (2023-02-16) https://www.techtarget.com/searchdatacenter/news/365531318/
  5. Tom Hals “Kodak in $525 million patent deal, eyes bankruptcy end” Reuters (2012-12-19) https://www.reuters.com/article/technology/kodak
  6. +VISION IPマガジン「特許売買でビジネスを成功に導く!! 日本企業の成功事例とその秘訣とは」(2024-08-30) https://vision00.jp/column/9417/
  7. IP Business Academy “A comparative IP management success story for Apple, Qualcomm, and IBM” (2023) https://ipbusinessacademy.org/a-comparative-ip-management-success-story-for-apple-qualcomm-and-ibm
  8. 株式会社IP Bridge「ライセンス事業」 https://ipbridge.co.jp/license/
  9. 文部科学省「大学等における産学連携活動実績等調査結果(令和5年度)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1398984_00001.htm
  10. Nokia Corporation Press Release “Nokia expands its major patent transactions” (2024-05-15) https://www.nokia.com/about-us/news/releases/
  11. IPmarket公式サイト「特許売買・ライセンス マッチングプラットフォーム」 https://ipmarket.jp/
  12. WIPO Global IP Financing Report 2024 https://www.wipo.int/publications/en/details.jsp?id=4598
  13. Avanci Press Release “Avanci 5G Vehicle licensing program launches” (2024-11-12) https://auto.avanci.com/news/
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