特許取得のメリット16選:信用力や資金調達

株式会社IPリッチのライセンス担当です。
本記事では、特許の出願・取得がビジネスにもたらす具体的なメリットを、経営者や個人事業主、起業家の方々に向けてわかりやすく紹介します。特許によって得られる信用力の向上や知財を活用した資金調達、さらには知的財産の収益化まで、知財戦略が事業にもたらす多面的な効果を実例を交えて解説いたします。
特許による信用力の向上
特許を取得することは、自社の技術力や独自性を公式に認められた証となります。そのため、特許保有企業は業界内外で高い信頼を得やすくなります。例えば、特許を取得できるほど高度な技術を持っている事実は、取引先や顧客からの信用力向上につながります。特許技術を持つと公表すれば、消費者にも「この製品は他にはない価値がある」という安心感を与えられ、購買意欲を刺激できます。また、企業の信頼度は資金調達の場面でもプラスに働きます。特にスタートアップ企業では、「特許出願中」や「特許取得済」のステータスが投資家へのアピール材料となり、技術的優位性を示す根拠となります。実際、特許庁の調査によれば、特許を保有する企業はそうでない企業に比べて営業利益率や従業員一人当たり利益が高い傾向があると報告されています(4)。これは知財を活用できている企業ほど市場からの信頼を獲得し、事業成果にも良い影響を及ぼしていることを示唆しています。
知財を活用した資金調達
知的財産は資金調達の場面で大きな武器になります。自社の特許技術を引っさげて投資家にプレゼンすれば、独自性や市場優位性を強調できるため、出資を受けやすくなります。実際に、特許戦略を駆使して巨額の資金調達に成功した例もあります。例えば、新素材開発のスタートアップである株式会社TBMは、主力製品の素材に関する特許を世界40か国以上で取得し、その知財に裏付けされた技術力を武器に累計234億円もの資金調達を実現しました(1)。このように、確かな知財があることで事業の将来性を示すことができ、ベンチャーキャピタルや金融機関からの評価が高まります。また、近年では特許や商標などの知的財産を資産価値として捉え、知財評価に基づく融資(知財担保融資)も一部で行われ始めています。自社の特許に適切な価値評価がつけば、信用保証の一環として金融機関からの融資条件が緩和されたり、知財そのものを担保に資金を借り入れることも可能になります。知財を活用した資金調達はまだ一般的とは言えませんが、知財の潜在的価値を資金に変える新たな手法として注目されています。
独占権による競争優位性の確保
特許権を取得すると、その発明を一定期間(出願から原則20年間)独占的に実施できる排他権が得られます。他社は許可なく同じ技術を製品やサービスに利用できないため、自社は市場で独自のポジションを築くことができます。この独占権は競争優位性の源泉です。競合他社が真似できない技術を持っていることで、自社製品の独自性を守り、市場シェアを拡大しやすくなります。特に技術集約型の業界では、1つの特許がヒット商品の独占販売につながり、大きな収益を生むケースもあります。他社に先駆けて取得した特許によって参入障壁を築けば、後発の競合は同じ土俵で勝負することが難しくなり、その分自社が高い利益率を維持できる可能性が高まります。独占状態を活かして市場をリードできれば、結果的に自社のブランド価値向上や価格競争力強化にもつながるでしょう。
特許網による市場参入障壁の構築
一つの重要な特許に加え、関連する複数の特許を戦略的に取得・活用することで「特許網(パテントネットワーク)」を構築できます。これは、技術や製品を様々な側面から特許で囲い込み、他社が容易に類似製品で市場参入できないようにするための手法です。特許網を張り巡らせておけば、競合他社は自社の特許群を避けて製品開発を行うことが困難になり、事実上高い参入障壁となります。大企業が特許を大量に出願する背景には、このように市場を守る戦略があります。中小企業やスタートアップでも、自社の核となる技術分野で基本特許と周辺特許を押さえておくことで、小規模ながらも効果的な参入障壁を築けます。参入障壁が高ければ、競争が制限され自社が長期にわたり安定した収益を上げやすくなるというメリットがあります。
模倣品排除とブランド力の保護
特許を取得しておけば、自社の発明を無断で模倣した製品に対して法的措置を講じることができます。警告や差止請求、損害賠償請求などを行うことで、模倣品の市場流通を防止でき、自社ブランドの価値を守ることができます。多くの場合、模倣品は正規品より品質が劣り、市場に出回ると製品に対する信頼を損ないかねません。特許権によってコピー商品を排除すれば、結果として自社製品の評判やブランドイメージを保護することにつながります。また、模倣品が横行しない環境では正規品の売上機会が奪われることもなく、収益の機会損失を防げます。特許で技術とブランドを守ることは、顧客からの信用維持と長期的なファンの獲得にも寄与します。特に海外展開する際には、現地で特許を取得しておくことで模倣品メーカーへの抑止力となり、グローバルでもブランド価値を守れるでしょう。
知財ライセンスによる収益化
自社で活用しきれない特許でも、他社にライセンス(実施許諾)することで収益化が可能です。特許ライセンス契約によって、相手企業からロイヤルティ収入を継続的に得られるため、自社の知的財産が新たな収入源となります。実際、特許ライセンスは大企業の中には主要な収益源となっている例もあります。例えば、米国のクアルコム社は毎年数千億円規模の特許ライセンス収入を得ており、自社売上の約3割をライセンスが占めると報告されています(2)。また、エリクソン社も特許ライセンスによって利益率を倍増させた年があるなど、知財収入で事業の安定性を高めています(2)。このように、優れた特許は自社製品だけでなくライセンスビジネスでも大きな価値を生み出し得ます。ただし、一方で全体の特許の中でライセンス収入を生んでいるものは一部に過ぎないとも言われます。ある調査では、収益を生む特許は全体の5~6%程度という指摘もあります(5)。したがって、特許による一獲千金を狙うには戦略が必要ですが、的確にニーズを捉えた特許であればライセンス料だけで数億円以上の利益をもたらす可能性も十分あります。自社が使わない技術でも他社にとって価値がある場合、積極的にライセンス提供や特許売却を検討することで、眠っている知財資産を現金化できるでしょう。
知財ポートフォリオ戦略と企業価値の向上
単一の特許だけでなく、複数の特許群(ポートフォリオ)を戦略的に構築することは、企業価値の向上につながります。知財ポートフォリオが充実している企業は、技術的優位性や将来の事業展開力が高いと評価されやすく、投資家や市場からの企業評価(バリュエーション)も高まります。特に株式公開や大口の資金調達を目指す際には、自社の特許資産が充実していることが評価機関や投資家の判断材料となります。知財は企業の無形資産として貸借対照表にも計上でき、買収の際にはその価値がプレミアムとして上乗せされることもあります。実際、知財を積極活用している企業は経営指標の面でも好成績を収める傾向があります。前述の通り、特許を持つ企業ほど利益率が高いとのデータもあり(4)、知財ポートフォリオが充実していることは収益力の裏付けとも言えるでしょう。さらに、企業規模が小さくても独自技術の特許群を持っていれば、大企業との提携交渉でも有利に進めやすくなります。結果として、知財ポートフォリオを整備することは企業価値そのものを高め、事業拡大や将来的な上場・売却時の評価アップにも寄与します。
M&A・事業売却における評価の向上
特許などの知的財産は、M&A(企業の合併・買収)や事業売却の際にも重要な評価ポイントとなります。買収する側の企業は、相手社が保有する特許技術によって自社の事業強化やシナジーが得られると判断すれば、高い金額を提示する動機になります。実際に、特許資産目当てで大型買収が行われた事例もあります。著名な例では、米グーグル社が2011年にモトローラ・モビリティを約125億ドル(当時約1兆円)で買収した際、モトローラの持つ17,000件超の特許群が大きな狙いだったと言われています(3)。このように、魅力的な特許ポートフォリオを持つ企業は買収交渉で有利な立場に立てます。売却する側にとっては、自社の知財がしっかり評価されることで、企業価値が上がり、より良い条件でのエグジット(投資回収)が可能となります。また、事業の一部売却やスピンオフの場合でも、関連する特許を一緒に譲渡することで売却額を高めることができます。知財が企業の「お墨付き資産」として機能し、M&A市場での魅力度を上げてくれるのです。
共同開発とオープンイノベーションの促進
特許を保有していることは、他社や大学などとの共同開発を促進するきっかけにもなります。自社の強みとなるコア技術が特許で守られていると、安心して外部機関と技術交流や共同研究ができます。特許の存在は「あの企業は独自技術を持っている」という指標になるため、オープンイノベーションのパートナー探しにおいて有利です。実際、特許庁のデータベースで公開されている特許情報を通じて、新技術を求める企業の開発部門が特許出願者に接触し、連携の話が持ち上がることもあります。特許を取得しておけば、自社の技術内容を開示しつつも権利で保護されているため、技術提携時のリスクが低減します。これにより、これまで取引のなかった他業界の企業から共同開発のオファーを受けたり、大学や公的研究機関との産学連携プロジェクトに誘われたりする可能性が高まります。近年注目されるオープンイノベーションでは、社外の知恵や技術を取り入れる代わりに自社の強みも提供することになりますが、特許という形で自社の技術を差し出せれば、対等な立場で協業を進めやすくなります。こうして、特許は新たなビジネスチャンスやイノベーション創出の呼び水にもなり得るのです。
特許による知名度向上と技術PR効果
特許を取得した事実自体がニュースになったり、業界内で話題になったりすることがあります。「〇〇社が画期的な技術で特許を取得」といった情報が報道されれば、一気に企業や製品の知名度が向上します。また、特許公開公報などを通じて、同業界の技術者や企業に自社の名前が知られるきっかけにもなります。特許は技術的優位性の裏付けですから、自社の技術力をPRする絶好の材料です。展示会やプレスリリースで「特許取得済みの技術を搭載」と紹介すれば、製品やサービスの先進性をアピールできます。特に新興企業が大企業に対抗して市場で存在感を示すには、独自の特許技術を前面に押し出すことが効果的です。知名度が上がれば、顧客からの問い合わせ増加や、営業活動の円滑化といった効果も期待できます。結果として、特許を取得することは単なる権利確保に留まらず、自社のマーケティング戦略やブランディングにも寄与するのです。
「特許取得済」表示によるマーケティング効果
自社の商品カタログやウェブサイト、製品パッケージなどに「特許出願中」や「特許取得済」と表示することは、マーケティング上の有効な手段です。これにより、顧客に対して製品の独自性や優位性をアピールできます。消費者は「特許」という言葉に対し、「他にはない技術」「信頼できる品質」といった印象を抱きやすいため、購買時の安心材料となります。例えば、家電製品や日用品でも、特許取得済み技術を謳った商品はそうでない商品より注目を集める傾向があります。実際、「この商品は特許を取得した技術を使っています」と説明を受けた消費者は、その製品に付加価値を感じ、多少価格が高くても選ぶケースもあります。また、BtoBの取引においても、特許取得済みの技術を持つサプライヤーは取引先からの信頼が増し、商談が有利に進むことがあります。製品差別化が難しい市場でも、特許の存在を前面に出すことでブランド戦略上の差別化要因となります。このように、「特許取得済」マークは営業や宣伝における強力なツールであり、結果的に売上向上や市場での優位確立に寄与します。
特許による訴訟防衛とリスクヘッジ
特許を取得しておくことは、防御的な意味でも重要です。他社が類似の技術で特許を先に取ってしまった場合、最悪の場合自社が「特許侵害」として訴えられ、事業継続が危ぶまれるリスクがあります。しかし、自社が先に特許を持っていれば、その技術領域で「特許侵害」の加害者になるリスクを減らせます。また、万一自社が特許侵害で訴えられた際にも、自社の保有特許を交渉カードとして相手に対抗できる場合があります。これを「特許による防衛策」と言い、特許を持っていることで訴訟上の有利な立場を築くことが可能です。実際、ハイテク業界では主要企業が互いに多数の特許を保有し合うことで、特許紛争が起きても最終的にはクロスライセンス(相互実施許諾)の交渉に落ち着くケースが多く見られます。中小企業であっても、自社の基幹技術について特許を押さえておけば、大企業から安易に訴訟を仕掛けられるリスクを下げる抑止力になります。さらに、知財保険などと組み合わせれば、訴訟対応費用の備えにもつながります。このように、特許は攻めの武器であると同時に、企業を守る盾としての役割も果たすのです。
クロスライセンスでの交渉力強化
クロスライセンスとは、お互いの特許を相互に利用できるようにするための契約で、主に企業間で締結されます。自社が有力な特許を持っていれば、業界内の他社とクロスライセンス契約を結ぶことで、相手の特許技術も利用できるようになり、自社製品の改良や新製品開発に役立てることができます。特許を持たない企業は、他社の特許を使いたい場合に高額のライセンス料を支払う必要がありますが、互いに特許を持っていれば「お互い様」という形で費用を抑えつつ技術活用が可能です。これは実質的に提携先との間で技術交流を進めることになり、単独では得られないノウハウを吸収できるメリットもあります。また、クロスライセンスを提案できるだけの特許を持っていると、競合他社との交渉で主導権を握りやすくなります。特許紛争の和解交渉においても、自社の特許を引き合いに出して互いに権利を認め合うという解決策が取りやすくなり、無益な訴訟合戦を避けられます。つまり、特許を取得しておくことで、競合とのパワーバランスにおいて優位に立ち、ビジネス上の交渉力を強化できるのです。
グローバル展開での知財戦略活用
海外市場への進出を考える際にも、特許戦略は欠かせません。自社の製品やサービスを海外で展開するとき、現地で特許を取得しておけば、その国や地域でも独占権を主張できます。これにより、海外でも模倣品や競合の参入を排除し、安心して事業を展開できます。逆に、自社が海外でビジネスを始めてから現地企業に類似技術の特許を取られてしまうと、せっかく進出した市場から撤退を余儀なくされる危険もあります。そうしたリスクを避けるためにも、主要国での特許出願は早めに検討すべきです。国際出願制度(PCT出願)を活用すれば、一度の手続で複数国への出願が可能なため、海外展開企業の強い味方となります。さらに、外国で特許を持っていることは、その市場の企業とのライセンス交渉やジョイントベンチャー設立の際にも役立ちます。現地企業に自社特許をライセンスしてロイヤルティ収入を得たり、あるいは特許を担保に現地金融機関から融資を受けるといったスキームも考えられます。グローバルな知財戦略を展開することで、新興国市場などでも知財をテコに有利にビジネスを進めることが可能になります。
知財を活かした金融メリット(知財担保融資等)
知的財産は企業金融の文脈でも活用が期待されています。先述の資金調達の項で触れた知財担保融資はその代表例です。銀行などの金融機関が、企業の持つ特許や商標に価値があると判断すれば、それらを担保としてお金を貸し出すケースが出てきています。日本でも一部の地域金融機関で、外部の知財評価機関と連携し、中小企業の特許価値を算定した上で融資に結びつけた事例があります。知財を担保にできれば、不動産や在庫などの有形資産が乏しいベンチャー企業でも資金調達しやすくなるメリットがあります。また、知財を持っていることで信用保証協会の保証枠が拡大したり、融資金利の優遇措置を受けられたりする場合もあります。さらに、大企業においては特許やノウハウを社内ベンチャーにライセンスして新規事業の資金繰りを支援するといった知財金融の応用も見られます。知財そのものは形のない資産ですが、うまく評価・活用すれば資金面でのメリットを引き出せるのです。このように、特許を取得しておくことは金融戦略上も選択肢を広げ、事業資金の確保や財務体質の強化に役立ちます。
社内イノベーションの促進と人材確保
特許の出願・取得活動は、社内におけるイノベーション文化の醸成にもつながります。従業員が自らの発明やアイデアを特許という形で評価・保護してもらえると知れば、新技術の研究開発に対するモチベーションが向上します。多くの企業では、発明奨励制度として職務発明が特許になった社員に報奨金を支給したり、社内表彰を行ったりしています。これにより技術者の意欲が高まり、結果として革新的なアイデアが次々と生まれる好循環を生むことができます。また、優れた特許を有する企業で働くことは技術者にとって誇りであり、そのような会社は業界の優秀な人材を引き寄せる力も持ちます。「自分の研究成果が特許として世に出る」という魅力は、求人面でも企業のアピールポイントとなるでしょう。さらに、社内で知財に関する知見が蓄積されることで、経営陣も知財を軸とした事業戦略を描きやすくなります。すなわち、特許取得は単なる成果物ではなく、社内の技術開発力を底上げし、人材確保・育成にも寄与する重要なプロセスなのです。
以上、特許の出願・取得による16のメリットを見てきました。特許は攻めにも守りにも使える強力な武器であり、上手に活用することで企業の成長と収益拡大に大きく貢献します。自社に眠る特許やアイデアがありましたら、ぜひ積極的に知財戦略を検討してみてください。
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(この記事はAIを用いて作成しています。)
参考文献
- IP BASE「合計234億円もの資金調達につながった特許戦略とは」 – https://ipbase.go.jp/learn/ceo/page36.php
- 特許庁『知的財産の価値評価について』(2017年) – https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/developing/training/textbook/document/index/Valuation_of_Intellectual_Property_JP.pdf
- 東洋経済オンライン「グーグル、モトローラ1兆円買収で特許固め 岐路に立つグーグル」(2011年8月30日) – https://toyokeizai.net/articles/-/7589
- TKCグループ『戦略経営者』2017年2月号「知財経営のススメ」 – https://www.tkc.jp/cc/senkei/201702_special02
- 知財タイムズ「特許出願(申請)するべき?特許のメリット・デメリットを徹底解説!」 – https://tokkyo-lab.com/co/merit

