人工知能(AI)が加速する特許適格性・明確性審査の厳格化と最新の知財戦略

株式会社IPリッチのライセンス担当です。皆様、いつも弊社のブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。本記事では、近年世界中で爆発的な広がりを見せている人工知能(AI)技術が、特許を取得するための「審査プロセス」にどのような変革をもたらしているのかについて、最新の動向を踏まえて分かりやすく解説いたします。AI技術は、私たちの日々の生活やビジネスを豊かにするだけでなく、特許を出願し、それを審査する国の中枢機関のあり方をも根本から変えようとしています。特に米国特許商標庁(USPTO)では、過去の膨大な特許審査記録や数千件に及ぶ判決データをAIに学習させることで、審査の効率化と判断の一貫性を高める新しいツールやパイロットプログラムが次々と導入されています。本記事では、このAIによる審査の高度化が、出願人にどのような影響を与えるのか、そして、厳格化する審査を乗り越え、強力な特許権を取得するためにはどのような対策が必要なのかを、最新の判例や審査基準を交えながら詳しく紐解いていきます。専門的な法律用語もできる限り平易な言葉で説明しておりますので、知財部門の方だけでなく、経営者やエンジニアの皆様にもぜひお読みいただきたい内容となっております。
優れた技術を生み出し、それを特許として権利化することは非常に重要ですが、特許権はただ取得して金庫にしまっておくためのものではありません。現代の激しいビジネス環境においては、保有する特許を自社の事業戦略の根幹に据え、ライセンス供与や特許権の売却などを通じて新たな利益を生み出す「知財の収益化」というテーマが極めて重要になっています。特に、AIによる厳格な審査の壁を突破して登録された特許は、その技術的貢献と権利範囲の明確さが客観的に証明された非常に質の高い権利であり、市場において他社を圧倒する排他力と高い経済的価値を持ちます。このような価値ある知財資産を効果的にマネタイズしたいとお考えの企業様、あるいは他社の優れた技術を導入して新たな事業展開を目指す皆様には、特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」のご活用を強くお勧めいたします。特許権の売買またはライセンスの希望者に無料でご登録いただける画期的なサービスとなっております。ご興味のある方は、ぜひ以下のURLより詳細をご確認ください。
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人工知能(AI)がもたらす米国特許商標庁での審査変革と新しいパイロットプログラム
米国特許商標庁(USPTO)は、世界で最も多くの最先端技術の特許審査を行っている機関の一つですが、近年、審査のスピードと品質を飛躍的に向上させるために、自らも人工知能(AI)技術を積極的に組織内へ導入しています。特許審査官は毎日膨大な数の技術文献や過去の特許資料(先行技術)と向き合い、出願された発明が本当に新しく、かつ容易に思いつくものではないかを慎重に判断しなければなりません。この過酷な作業を支援するため、USPTOはAIを駆使した様々なツールを開発・運用しています。
その代表的な取り組みの一つが、2025年後半から2026年にかけて本格的に開始された「自動検索パイロットプログラム(Automated Search Pilot Program)」です 。このプログラムは、特許出願が行われた後、人間の審査官が本格的な審査(実体審査)を開始する前に、AIツールが自動的に先行技術調査を行い、その結果を出願人に通知するという画期的な試みです。AIツールは、出願書類に記載された特許請求の範囲(クレーム)や明細書の文章を自然言語処理技術で解析し、世界中の特許データベースから関連性の高い文献を瞬時に探し出します。そして、最も関連性が高いと判断された上位10件の文献リストが、「自動検索結果通知(ASRN)」として出願人に送付されます 。
このプログラムの最大のメリットは、出願人が非常に早い段階で自社の発明に対する潜在的な脅威(強力な先行技術)を把握できる点にあります。出願人は、審査官から正式な拒絶理由通知を受け取る前に、このAIが提示した文献を分析し、「自社の発明のどの部分を強調すれば特許になるか」を戦略的に練り直すことができます。必要であれば、審査が始まる前に自発的に特許請求の範囲を修正(補正)したり、審査を有利に進めるための実験データを追加で準備したりすることも可能です。一方で、もしAIが発見した文献の中に、自社の発明と全く同じ技術が記載された致命的なものがあった場合には、審査費用を無駄にする前に早期に出願を取り下げる(放棄する)という経営的決断を下すこともできます 。
このように、AIツールの導入は審査官の業務を効率化するだけでなく、出願人に対してもより戦略的で柔軟な対応を可能にしています。しかし、それは同時に、AIの高度な検索能力によって、これまで見過ごされていたような遠い技術分野の文献までもが的確に発見されるようになることを意味します。つまり、中途半端な新しさや、ありふれた技術の組み合わせでは、容易にAIに見破られ、特許を取得することが極めて困難な時代に突入しているのです。
米国特許法第101条に基づく適格性審査と人工知能(AI)関連発明の大きな壁
特許を出願する際、最初に立ちはだかる大きな関門が「特許適格性(Subject Matter Eligibility)」と呼ばれる要件です。これは米国特許法第101条に規定されており、「そもそもこの出願内容は、特許として保護するに値する対象(主題)なのか?」を問うものです。自然の法則、物理現象、そして「抽象的アイデア(例えば、単なる数学の計算式や、人間の頭の中で行える思考プロセス、一般的な商取引の手法など)」は、人類の共有財産であるため、特定の誰かに特許として独占させるべきではないとされています。
近年、ソフトウェアや人工知能(AI)に関連する発明の多くが、この第101条の壁にぶつかり、特許庁から拒絶されるケースが後を絶ちません。なぜなら、AIの実態は高度な「数学的アルゴリズム」や「計算モデル」であり、これをそのまま特許請求の範囲に書いてしまうと、「単なる抽象的アイデア(数学の計算)をコンピュータにやらせているだけではないか」と見なされてしまうからです。
この基準を特に厳格なものにしたのが、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)による「Recentive Analytics v. Fox Corp.」という重要な判決です 。この事件において、出願人はテレビ放送のネットワークマップやイベントのスケジュールを生成するために、機械学習(AIの一種)を用いた手法を特許として主張しました。しかし裁判所は、これを特許不適格(特許に値しない)と判断しました。その理由は、「既存の一般的なAI技術を、単にテレビ放送という新しい分野(データセット)に当てはめただけ」であり、AIの技術そのものや、コンピュータシステム自体の性能を向上させるような「技術的な改善(技術的貢献)」が全く見られなかったからです 。
単に「AIを使ってスケジュール作成を自動化し、人間がやるよりも劇的に速く、効率的になった」という結果の素晴らしさを主張するだけでは、特許適格性は認められません。特許を取得するためには、「どのような具体的な技術的工夫によってその結果を達成したのか」、そして「その工夫が、コンピュータ技術という分野においてどのような技術的進歩をもたらしたのか」を、特許請求の範囲と明細書に明確に記述しなければならないのです。例えば、「最適化されたスケジュールを生成する」という曖昧な「結果」だけを書くのではなく、その結果を導き出すためのAIモデルの特殊な構造や、データの処理手順といった「具体的な解決策」を詳細に記載することが絶対条件となります。
Subject Matter Eligibility Declarationsを活用した第101条に対する新しい実務対策
このように第101条の審査が非常に厳格化する中で、出願人側が対抗するための新たな実務的な武器が整備されつつあります。それが、米国特許商標庁(USPTO)が2025年後半にベストプラクティス(最良の活用方法)に関するメモランダムを公表した「Subject Matter Eligibility Declarations(SMEDs:主題適格性宣誓書)」と呼ばれる手続きです 。
SMEDsとは、出願人が特許審査官に対して、自社の発明が単なる抽象的アイデアではなく、確かな「技術的改善」をもたらす特許適格性のある発明であることを、客観的な証拠とともに主張するための公式な宣言書(宣誓書)のことです 。例えば、審査官から「あなたの発明は、人間の頭の中でできる単なる思考プロセス(精神活動)に過ぎない」と拒絶されたとします。このとき、出願人はただ言葉で反論するだけでなく、このSMEDsを用いて、当該分野の専門家や発明者自身の証言として、「このAIによるデータ処理プロセスは極めて複雑であり、人間の頭脳や、紙と鉛筆だけでは到底実行不可能なものである」という具体的な事実を、データや論文などの証拠を添えて提出することができます 。
USPTOの新しいガイダンスでは、このSMEDsの重要性が改めて強調されており、審査官は提出されたSMEDsの内容を真摯に検討し、もし拒絶を維持する場合には、その証拠がなぜ不十分なのかを明確に説明しなければならないとされています 。ただし、SMEDsを提出する際にはいくつかの注意点があります。最も重要なのは、宣言書の中に「私の発明は特許適格性があります」というような法的な結論だけを書くのではなく、必ず「事実に基づく客観的な証拠」を記載しなければならないということです。また、もともとの特許出願書類(明細書)に書かれていない全く新しい技術的効果を、後からこの宣言書で付け足すことは許されません。あくまで、当初の出願書類に記載されている内容を補強するための証拠でなければならないのです。
このSMEDsを効果的に活用することで、これまで審査官の主観的な判断によって「抽象的アイデア」として片付けられていたようなAI関連発明についても、技術的貢献の真価を客観的に証明し、権利化への道を切り拓くことが可能となります。
Ex parte Desjardins判決に見る人工知能(AI)特許の希望と技術的貢献の重要性
AI関連の特許出願にとって、すべてが厳しい逆風というわけではありません。特許審査の現場を管轄するUSPTOの内部でも、「AIというアメリカの将来を担う重要な技術分野において、過度に厳格な審査によって特許が取れなくなる事態は避けなければならない」という強い危機感が共有されています。その象徴とも言える出来事が、特許審判部(PTAB)による画期的な判決であり、後にUSPTO長官によって先例(以後の審査の基準となる重要な決定)として指定された「Ex parte Desjardins(デジャルダン事件)」です 。
この事件では、審査官および特許審判部が一度は「この発明は単なる機械学習のアルゴリズム(抽象的アイデア)に過ぎない」として特許適格性を否定しました。発明の内容は、AIモデルに複数の異なるタスクを順番に学習させる際に、以前に学習した重要な情報を忘れてしまう「破滅的忘却」という現象を防ぎつつ、継続的に学習を行うという技術でした。
しかし、この決定に対してUSPTOの長官が異例の介入を行い、拒絶の判断を覆して特許適格性を認めるという劇的な展開を迎えました 。長官は、この発明が単なる計算式ではなく、「AIモデルの記憶容量の節約」や「システムの複雑さの低減」、「以前のタスクのパフォーマンス維持」といった、コンピュータの機能そのものを目に見える形で向上させる「具体的な技術的改善」をもたらしている点を高く評価しました。
このDesjardins判決が示しているのは、AI関連発明であっても、その発明が既存のAI技術の弱点やコンピュータシステム自体の課題をどのように解決し、どのように性能を向上させているかを、技術的な観点から具体的に説明することができれば、第101条の壁を十分に突破できるという事実です 。審査官に対して「AIイノベーションを極度に高い抽象度で評価してはならない」というメッセージが発信されたことは、出願人にとって非常に大きな追い風となります。私たちは、この判例を深く分析し、自社のAI特許の明細書を作成する際に、抽象的な機能の説明に終始するのではなく、システム全体の効率化やデータ処理アーキテクチャの改善といった「技術的なメリット」を、いかに論理的かつ詳細に言語化できるかが問われているのです。
アムジェン最高裁判決が米国特許法第112条の実施可能要件に与える影響
特許適格性(第101条)と並んで、AI特許の前に立ちはだかるもう一つの極めて高い壁が、米国特許法第112条に規定される「実施可能要件(Enablement)」と呼ばれる要件です。特許制度は、発明者がその技術の秘密を世の中に「公開(開示)」する代償として、一定期間の独占権(特許権)を与えるという仕組みで成り立っています。したがって、出願書類(明細書)には、その分野の専門家(当業者)が、過度な試行錯誤をすることなく、その発明を作ったり使ったりできるように、十分に詳しく具体的な説明が書かれていなければなりません。これが実施可能要件です。
近年、この実施可能要件のハードルを決定的に高くしたのが、米国連邦最高裁判所による「Amgen v. Sanofi(アムジェン対サノフィ)」という歴史的な判決です 。この事件はもともとバイオテクノロジー(抗体医薬)の分野で争われたものでしたが、その影響はソフトウェアやAIの分野にも大きく波及しています。
アムジェン社は、「特定の機能を持つ抗体」という非常に広い範囲を覆う特許(機能的ジェヌスクレーム)を取得していました。しかし最高裁は、この特許が無効であると判断しました。なぜなら、アムジェン社が特許で主張している範囲は膨大な数の抗体を含んでいるにもかかわらず、明細書にはそのごく一部の具体的な作り方しか書かれておらず、残りの抗体を作るためには、専門家が途方もない時間と労力をかけて「過度な試行錯誤」を繰り返さなければならない状態だったからです。最高裁は、「特許で広い範囲を独占したいのであれば、それに釣り合うだけの十分で詳細な説明(堅牢な開示)を明細書に書かなければならない」と厳しく指摘し、発明を完成させるための研究や試行錯誤の負担を第三者に丸投げするような特許は許されないと宣言しました 。
この「広い権利を欲しければ、それに見合う詳細な説明をせよ」というアムジェン判決の原則は、AI技術の特許審査においてもそのまま適用されるようになっています。AIを用いて「何かを予測する」「何かを最適化する」といった望ましい「結果(機能)」だけを広く特許請求の範囲に書きながら、その結果を導き出すための具体的なAIのアルゴリズムや訓練データの詳細を秘密にして明細書に書かないような出願は、まさにこのアムジェン判決の基準に照らして「実施不可能(第112条違反)」として容赦なく拒絶されるリスクが高まっているのです。
人工知能(AI)時代における第112条対策と将来のビジネスを見据えた明細書の書き方
では、AI技術を活用した発明において、この厳しい実施可能要件(第112条)をクリアするためには、実務上どのような対策が必要なのでしょうか。ここには、企業にとって非常に悩ましい「ジレンマ」が存在します。
特許を取得するためには、AIモデルの構造、学習アルゴリズムの具体的な数学的ステップ、学習に使用したデータセットの特徴や前処理の方法、さらにはハイパーパラメータの調整方法などを、明細書にできる限り詳細に書き込む必要があります。しかし、企業にとってこれらの情報は、他社に知られたくない極めて重要な「営業秘密(ノウハウ・ブラックボックス)」であることが多いのです 。特許を取るためにすべてを公開してしまえば、競合他社に簡単に真似されてしまう危険性があります。一方で、秘密を守るために曖昧な記述にとどめれば、第112条違反で特許が取れない、あるいは後から裁判で無効にされてしまうという事態に陥ります。
このジレンマを解決するための鍵は、AIを「実施を容易にするための強力なツール(強み)」として論理的に位置づける戦略です。例えば、明細書の中で「このAIモデルを使用すれば、従来は膨大な試行錯誤が必要だった最適なパラメータの探索が、専門家にとって極めて予測可能で容易なものになる」ということを、いくつかの具体的な実施例とともに丁寧に説明します 。つまり、「AIの具体的な仕組みはここまで開示する。そして、この仕組みを使えば、残りの広い範囲についても過度な負担なく実現できるはずだ」という論理を構築するのです。
また、特許出願の際には、現在のビジネスで使っている一つのAIモデルだけでなく、将来的に採用する可能性のある代替モデルや、異なる種類のデータセットを適用した場合のバリエーションについても、可能な限り幅広く明細書に記載しておくことが極めて重要です。なぜなら、技術の変化が激しいAI分野においては、最初の出願から数年後に「継続出願」という制度を使って、他社の新しい製品をカバーできるように特許の権利範囲を広げたくなることがよくあるからです。しかし、その際に権利を広げられる限界は、最初に提出した明細書にどれだけ幅広い情報(サポート)が書かれているかによって決まります。目先の特許化だけを急いで記述を省略してしまうと、将来のビジネス展開において致命的な弱点となる可能性があるのです。
人工知能(AI)が自動生成する先行技術文献の脅威と第102条・第103条への防衛策
これまで、第101条(特許適格性)と第112条(実施可能要件)という、形式的かつ高度な要件について解説してきましたが、特許審査における最も古典的でありながら最大の障壁となるのが、第102条(新規性)および第103条(進歩性)の審査です。そして、この領域においてもAI技術は、これまで誰も予想しなかったような新たな脅威をもたらしています。
それが、生成AIによって自動的に大量生産される「先行技術文献」の爆発的な増加です。現在、インターネット上には「All Prior Art」といったプロジェクトが存在し、AIを用いて数百万件に及ぶ「あり得そうな技術的アイデア」の文章や画像を自動生成し、それらをパブリックドメイン(公共の場)に公開し続けています 。彼らの目的は、誰も特許を取れないように技術空間をオープンに保つことですが、出願人から見れば、これは自社の特許化を阻む巨大なノイズの海が出現したことを意味します。たとえ人間が検証していない架空のアイデアであっても、それがインターネット上で公開された日付が確認できれば、特許法上は立派な「先行技術」として扱われ、新規性や進歩性を否定するための証拠として審査官に引用されてしまう恐れがあるのです。
さらに、前述したUSPTOのAI検索ツール(Automated Search Pilot Programなど)の高度化により、審査官は人間が思いもよらないような、全く異なる技術分野の文献同士を組み合わせた進歩性欠如(第103条違反)の拒絶理由を簡単に構築できるようになっています。
このようなAI生成文献や高度な文献の組み合わせによる攻撃に対して、出願人はどのように防衛すべきでしょうか。従来の「引用された文献のAという部品と、私たちの発明のBという部品は形が違う」といった微視的な反論だけでは、もはや太刀打ちできません。今後は、米国最高裁判所の判例に基づく「Graham分析(グラハム分析)」に立ち返り、根本的な論理を攻撃するアプローチが必要になります 。
具体的には、審査官が「文献Xと文献Yを組み合わせれば、あなたの発明は容易に思いつく」と主張してきた場合、出願人は「文献Xと文献Yは技術分野や解決すべき課題が全く異なるため、当業者がそれらを組み合わせようとする動機付け(Rationale)が存在しない」と反論します。さらに、「文献Xの技術を文献Yに無理やり組み込むと、文献Yの本来の動作原理が壊れてしまい、システムとして機能しなくなる(Inoperable for its intended purpose)」といった、技術の根本的な矛盾を指摘することが極めて有効です。AIは表面的な言葉の類似性を見つけることは得意ですが、技術の深い文脈や動作原理の矛盾を理解することはまだ苦手です。出願人はこの弱点を突き、人間の専門家としての深い技術的洞察に基づいた意見書を作成することが求められます。
まとめと今後の展望:人工知能(AI)時代の厳格な特許審査を勝ち抜き、知財の収益化を実現するために
これまでに見てきたように、人工知能(AI)技術の急速な発展と普及は、米国特許商標庁(USPTO)における特許審査の現場に劇的かつ不可逆的な変化をもたらしています。AI検索ツールの導入により先行技術調査は高度化し、第101条(特許適格性)や第112条(実施可能要件)に対する審査の目はかつてないほど厳格化しています。もはや、曖昧な言葉遊びや、単なる結果の羅列だけで特許を取得できる時代は完全に終わりました。
しかし、この状況は決して出願人にとって悲観すべきものではありません。審査が厳格化するということは、裏を返せば、市場に存在する「中身のない粗悪な特許」が淘汰され、真の技術的貢献と十分な開示を伴った「高品質な特許」だけが生き残る自浄作用が働いていると捉えることができます。厳しい審査の壁を乗り越え、第101条や第112条の要件を完璧に満たして登録された特許は、競合他社からの無効化攻撃に対して極めて高い堅牢性(レジリエンス)を持ちます。
そのような強力で品質の高い知財資産こそが、本記事の冒頭で述べた「知財の収益化」を成功に導く最大の武器となります。AI時代における知財戦略の真髄は、目先の審査をやり過ごすことではなく、将来のビジネス展開やライセンス交渉、企業価値の向上を常に見据え、AI技術の「技術的貢献のメカニズム」を緻密かつ論理的に明細書に織り込むという、高度で戦略的な設計(ドラフティング)を行うことに他なりません。
私たち特許実務家や企業の知財部門は、審査官を支援するAIツールの思考プロセスを逆算し、AI生成の先行技術のノイズに惑わされることなく、人間の創造性と技術的洞察の優位性を証明し続けなければなりません。この困難でやりがいのあるプロセスを乗り越え、法的に隙のない強固な特許網を構築し、それを積極的に収益化につなげていくことこそが、次世代のイノベーション競争を勝ち抜くための唯一の道筋となるでしょう。
(この記事はAIを用いて作成しています。)
1
Automated Search Pilot Program
URL: https://www.federalregister.gov/documents/2025/10/08/2025-19493/automated-search-pilot-program
2
USPTO launches new AI pilot for pre-examination utility application search
3
USPTO to Launch Pilot to Evaluate Results of New AI Search Tool on Patent Prosecution
URL: https://ipwatchdog.com/2025/10/07/uspto-launch-pilot-evaluate-results-new-ai-search-tool-patent/
4
AI and Patent Eligibility: Strategies in the Wake of Recentive Analytics v. Fox Corp.
5
Emerging Tech and the § 101 Rejection
6
Memorandum – Best Practices for Submission of Rule 132 Subject Matter Eligibility Declarations (SMEDs)
URL: https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/smeds-applicants-practitioners.pdf
7
Subject Matter Eligibility Declarations Memo to Corps
URL: https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/smeds-corps.pdf
8
USPTO’s New Subject Matter Eligibility Guidance and Best Practices
9
USPTO Issues New Guidance on Subject Matter Eligibility Declarations
10
PTAB designates precedential Appeals Review Panel decision
11
More Than Math: How Desjardins Recognizes AI Innovations as Patent-Eligible Technology
12
Precedential Shift: USPTO Clarifies Patentability of AI Training Methods
13
AI and Enablement After Amgen v. Sanofi
URL: https://www.venable.com/insights/publications/2025/10/ai-and-enablement-after-amgen-v-sanofi
14
Post-Amgen v. Sanofi: What the Enablement Ruling Means for Your Biologic Patent Strategy
15
Enablement Unchanged? Amgen v. Sanofi and Future Software Patents
URL: https://www.lplegal.com/content/enablement-unchanged-amgen-v-sanofi-future-software-patents/
16
AI Trends for 2026: A Golden Age for U.S. Software Patents
URL: https://www.mofo.com/resources/insights/260126-ai-trends-for-2026-a-golden-age
17
The Transformative Impact of AI on Patent Prior Art Searches
18
AI’s Impact on Patent Examination: A Forward-Looking Perspective
URL: https://www.troutman.com/insights/ais-impact-on-patent-examination-a-forward-looking-perspective/

