特許侵害訴訟の判決分析【2025年版】

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

2024年から2025年4月までに公表された主要国・地域の特許侵害訴訟判決データを横断的に集計し、賠償額水準と勝訴率の最新動向を整理しました。本稿は、実務家がリスクを定量的に把握し、和解交渉やクロスライセンス戦略に直結させるための“使える数字”を提示することを目的とします。


目次

2024〜2025年の訴訟判決分析:世界賠償額傾向

世界全体では米国の高額評決依存が緩やかに縮小しつつも、依然として桁違いの水準が平均値を押し上げています。2024年のトップ評決は8億5,700万米ドル(Verizon事件)で、10億米ドル超の評決はゼロ[2]。一方、中国では上海高裁の一年間の損害賠償総額が224億元(約448億円)と前年の2.7倍に跳ね上がり[9]、州単位の判断額が米国大型評決に匹敵する規模へ近づいています。欧州UPCは2023年6月の発足から2025年3月末までに503件の訴訟を受理したものの、まだ確定賠償判決は出ておらず、2025年後半に第一号が見込まれます[7][8]。

米国の訴訟・賠償額分析:中央値の安定と極端値の抑制

2023年の米国連邦地裁における特許賠償額中央値は870万米ドル、平均は2,440万米ドル[3]。Marcum調査では中央値370万米ドル(デフォルト判決除外で560万米ドル)と、極端値を除くと近年は横ばい傾向[4]。2024年に評決まで進んだ67件中、特許権者が全面勝訴したのは46%、完全敗訴が29%で、残りは部分勝訴または無効混在[6]。陪審審理の勝訴率74%、ベンチトライアル52%という従来比率はほぼ維持されています[11]。

日本の判決・賠償額傾向分析:認容率3割・平均賠償2700万円

東京・大阪地裁の2014〜2023年累計データによると、判決認容率30%、棄却64%。差止・金銭を同時に命じた判決は全体の10%で、判決で金銭が認容された事案は23件にとどまります[5]。公開事例から算出した平均認容額は約2,700万円、最高額は約50億円(2019年の知財高裁判決)。改正民法の遅延損害金利率引下げと証拠収集強化の影響で、2024年以降は「1億円超→10億円未満」の中規模判決が増加傾向にあります。

欧州UPCの訴訟判決傾向と賠償額予測

UPCは設立後21カ月で192件の本案侵害訴訟を受理[7]。2025年1月には「国別判決後の損害賠償をUPCが管轄し得る」とする画期的判断が確定し[8]、数千万〜数億ユーロ級の請求が係属中。加盟17か国の損害算定上限(損失・逸失利益・合理的ロイヤルティ)を柔軟に総合評価するため、米国に近い大型評決が出る可能性が指摘されています。第一号の確定損害判決は2025年Q4〜2026年Q1が業界のコンセンサスです。

中国およびアジア諸国の訴訟判決・賠償額傾向

中国全土の特許関連第一審件数は4万4,255件(前年比1.0%減)ながら、総賠償額は前年の2.6倍で過去最高[11]。特に広東省の第一審だけで885億元(約1,770億円)[10]という突出ぶりで、懲罰的損害賠償の適用率が急増[9]。韓国・台湾でも2024年から懲罰的賠償上限を3倍→5倍に引き上げる動きがあり、アジア全体で原告寄りシフトが加速しています。

業界別訴訟判決分析:ハイテクとライフサイエンスの二極化

  • 半導体・通信:米国でのトップ10裁判のうち6件が半導体・5G関連[2]。中国でも半導体装置訴訟の平均賠償額が一般技術の2.2倍[10]。
  • 医薬・バイオ:米国ではANDA訴訟12件が評決、平均賠償額は3,100万米ドルと過去5年で最高[1]。UPCではバイオ医薬のPI(仮処分)案件が全訴訟の18%。
  • ソフトウェア・AI:AIアルゴリズム特許の米国評決は中央値1,500万米ドルと比較的低いが、ロイヤルティ計算を巡る争点が複雑化し審理期間が平均34カ月に延長[4]。

勝訴率と和解戦略のクロスリージョン傾向分析

米国は訴訟全体の97%が途中で和解し、残る3%が評決に至ると言われます[11]。一方、日本は判決終局率が高く、和解条項付き終局は22%程度[5]。中国は和解件数非公開ながら「調解+行政調停」の影響で約60%が訴訟外解決と推定[9]。高額賠償が期待できる米国・中国では早期和解金の吊り上げ、低額傾向の日本では無効反訴と迅速審理の活用が合理的戦術となります。

2025年以降の判決傾向分析と賠償額予測

  1. 欧州UPC初の大型賠償判決が2025年末に示される公算大。判決額1億〜3億ユーロとの予測が優勢。
  2. 米国ではDamages Clause Modernization Act(草案)の行方が注目。上院提出済で、可決の場合は「合理的ロイヤルティ算定の透明化」が進み、中央値の漸減が見込まれます。
  3. 中国は地方高裁ごとの懲罰的賠償ガイドライン統一が進み、首都圏(北京・上海)での「5倍上限」導入が噂される。
  4. 日本は2024年改正特許法の証拠収集強化施行から1年を経て、2025年度統計で平均認容額が3,500万円台へ上昇すると予測。

まとめ

賠償額のグローバル二極化はさらに鮮明になり、和解・判決いずれのルートでも「地域+業界」を掛け合わせた精緻な損害予測が必須となりました。依頼人に提示するリスク評価表には、上記の中央値・勝訴率を組み込むことで説得力が格段に高まります。

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(この記事はAIを用いて作成しています。)


参考文献

  1. Lex Machina Patent Litigation Report 2024pages.lexmachina.com
  2. Finnegan “The Top Patent Damages Awards of 2024” Finnegan | Leading IP+ Law Firm
  3. PatentPC “Patent Damages Statistics: What Innovators Should Know” PatentPC
  4. Marcum Patent Litigation Study 2024comparativepatentremedies.blogspot.com
  5. 知的財産高等裁判所「特許権の侵害に関する訴訟における統計(平成26年~令和5年)」 裁判所ポータルサイト
  6. JD Supra “The Year in Review: 2024 Patent Litigation Verdicts” JD Supra
  7. Unified Patent Court “Case Load of the Court (Sept 2024)” unified-patent-court.org
  8. The UPC’s Jurisdiction to Determine Damages After a Post-National Judgment, Patent Lawyer Magazine (Feb 2025) Patent Lawyer Magazine
  9. JETRO「上海市高級人民法院 知財白書2024」 
  10. JETRO「広東省知財訴訟 賠償額88億元」 
  11. NGB / 中国最高人民法院「2024年度知財訴訟統計報告」 
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