中国における特許売買・訴訟の実態:日本企業が直面する課題

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

中国における特許の売買市場が急速に拡大し、特許訴訟も増加・活発化しています。本記事では、中国の特許取引の規模や動向、特許訴訟制度の特徴、そして日本企業が中国で直面するリスクと対応策について解説します。さらに、中国企業による対日特許訴訟の傾向や特許価値評価の違い、知財強国戦略など政策動向を踏まえ、今後の展望と実務上の留意点を考察します。

目次

中国における特許売買市場の規模と動向

中国は近年、特許の売買・ライセンス市場が世界最大規模に成長しています。中国政府は知的財産の保護と活用を国家戦略として位置づけ、知財ビジネス環境の整備を推進してきました。例えば中国科技部(科学技術部)の統計によれば、2021年の中国における特許技術取引総額(特許の譲渡・ライセンス、技術開発、サービス、コンサルティングを含む)は3.72兆元(約74兆円)に達し過去最高を記録しました[12]。そのうち特許技術の譲渡・ライセンスだけで3,246.6億元(約6兆5千億円)と全体の8.7%を占め、前年(2020年)比で35.4%もの成長を示しています[12]。この大幅な伸びは、中国企業の技術力向上や知財活用意識の高まり、政府の奨励策などが背景にあり、今後も増加傾向が続くと見られます。

特許取引の分野別動向を見ると、「電子情報」「都市建設・社会発展」「先進製造」の3分野が取引額の上位を占めています[12]。これは中国の産業政策の重点分野と合致しており、政府主導でこれら分野の技術取引が促進されている結果といえます。また、取引件数の面でも、中国では他国と比べて特許の売買・移転が盛んであることが指摘されています[2]。大量の特許出願・登録件数を有する中国では、未利用特許の市場流通や技術導入ニーズが高く、企業や研究機関が保有特許を売買・ライセンスする動きが活発です。

中国で活発化する特許取引と日本企業の事例

中国の巨大な特許市場には日本企業も積極的に関与し始めています。多くの日本企業は、中国現地法人を通じて自社技術のライセンス供与や、中国企業への特許譲渡を行っています。たとえば、日本企業が自社で活用しきれない特許を中国企業に有償譲渡し、中国市場での展開を委ねるケースがあります[14]。実際、弊所が関与した事例でも「日本と中国で取得した特許権について、中国での販路が無いため中国企業に譲渡した」というケースがありました[14]。また、日本企業が中国企業との提携や合弁事業の中で、クロスライセンス契約を結びお互いの特許を融通し合う例もあります。ライセンス契約を通じて中国側に生産委託を行い、技術供与の対価としてロイヤルティを得るビジネスモデルも見られます。

もっとも、日本企業が中国で特許取引を行う際には注意点も多く存在します。契約面では、中国には「技術輸出入管理条例」という制度があり、外国企業と中国企業が特許の譲渡または実施許諾契約を締結する場合には中国商務部への契約登録が必要です[14]。このため、日本企業が日本法を準拠法にして契約を結ぶことで同条例の適用を回避できるかといった論点も検討されています[14]。また、中国企業と取引する際には言語や交渉文化の違いも意識する必要があります。中国側は交渉においてスピード感があり、価格交渉も大胆に行われる傾向があります。日本企業としては現地の専門家(弁護士・弁理士など)の助言を得つつ、契約条件や知財権の範囲を明確化し、不測の事態に備えた条項(第三者から権利侵害の警告を受けた場合の通知義務など)を盛り込むことが重要です[34]。

中国の特許訴訟制度の特徴

一方、中国国内では特許訴訟が年々増加し活発化しています。中国は知的財産訴訟大国と呼ばれるほど訴訟件数が多く、その特徴として専門裁判所の設立や迅速な手続き、高い勝訴率などが挙げられます。

まず、知的財産専門の裁判所・法廷が設置されている点が重要です。2014年には北京・上海・広州の三都市に知的財産専門裁判所(知産法院)が開設され、さらに全土の主要都市に知財専門部門(知産法庭)が設けられました[28]。これにより、特許侵害訴訟など技術的に高度な判断を要する事件は専門知識を持つ裁判官が集中的に扱う体制が整いました。また2019年からは、最高人民法院(日本の最高裁に相当)内に知的財産専門法廷が設置され、特許訴訟等の第二審(控訴審)は全国でこの法廷が管轄することになりました[28]。この仕組みは米国のCAFC(連邦巡回控訴裁)や日本の知財高裁にならったもので、専門的な判断の統一と質の向上が図られています[28]。

中国における知財訴訟件数は桁違いに多く、例えば2017年の知的財産権第一審の新規提訴件数は20万件を超えていました[28]。これは米国(約4,000件)や日本(約700件)と比較にならない規模です[28]。中でも特許侵害訴訟は増加傾向が顕著で、その背景には特許出願件数の爆発的増加と、知財権を行使する企業の台頭があります[26]。

訴訟手続のスピードも中国の特徴です。特許訴訟の審理期間は提訴から判決まで6〜14ヶ月程度と比較的短期間であり、差止め(差止命令)の発令も迅速かつ高い確率で認められる(発令率約99%)と報告されています[22]。これは米国のような大規模なディスカバリ(証拠開示手続)が無く、集中的審理が行われるため訴訟コストも米国の10分の1程度と低廉なことに起因しています[22]。さらに、特許権者(原告)の勝訴率は非常に高く平均80%前後ともいわれます[22]。統計上は外国企業による提訴の方が中国企業同士の場合より勝訴率が高いとのデータもあり、綿密な事前準備を行えば外国企業であっても中国の裁判所で公正に戦えることを示唆しています[22].

もっとも、証拠収集の面では注意が必要です。中国では日本や米国のような当事者による十分な開示手続がない代わりに、証拠保全(仮処分による証拠押収)制度裁判所による証拠提出命令などが存在します。被告が売上げ等の証拠を提出しない場合、裁判所が原告の主張を採用して損害賠償額を算定することもあります[17]。そのため、侵害訴訟では公証による証拠確保第三者機関の鑑定など、証拠固めが勝敗を左右します。また、中国の特許には実用新案(無審査で登録される10年権利)や意匠も含まれ、これらについて訴訟を提起する際は特許評価報告(特許庁による有効性評価書)の提出が必要ですが、評価報告は一度しか発行されない点に留意が必要です[39]。無効審判請求等で実用新案権を潰す対応も検討しなければなりません[39]。

損害賠償額についても近年は上昇傾向にあります。従来、中国の特許侵害訴訟の賠償額は低めで法定賠償(証拠で損失額等を立証できない場合に裁判所が裁量で定める額)の上限もかつては50万元〜100万元程度でした。しかし2021年施行の改正専利法(特許法)では法定賠償の上限が500万元(約1億円超)に引き上げられ、懲罰的賠償(最大5倍)も導入されました。この結果、近年は数千万元規模(数億円)の高額賠償も珍しくなくなりつつあります[32]。実際、最近の中国の特許侵害訴訟では損害賠償額の高額化が顕著であり、今後この傾向は日本企業にとって避けて通れない問題になると指摘されています[32]。

中国で日本企業が直面する特許リスクと対応策

上記のような中国の特許訴訟環境の変化に伴い、日本企業が中国で直面しやすいリスクも増大しています。まず考えられるのは、中国企業による特許侵害訴訟の被告となるリスクです。中国市場で事業を展開する日本企業は、現地の競合他社や個人が保有する特許・実用新案を知らずに侵害してしまい、突如訴訟を起こされるケースがあり得ます。特に実用新案は無審査で権利化されるため質の低い権利も存在しますが、有効に存続している限りは差止めや損害賠償請求を受ける恐れがある点に注意が必要です[39]。日本企業の中には「中国では知財を尊重しないから訴訟にならないだろう」と油断する向きもありますが、それは誤解です[15]。他人の権利を侵害すれば中国でも法的措置を取られ、高額の対策費や賠償金を支払う羽目になりかねません[15]。したがって、中国現地での自社製品・サービス展開時には事前の知財クリアランス調査を徹底し、競合他社や周辺技術の特許・実用新案を漏れなくチェックすることが重要です[39]。

また、日本企業が中国企業と技術提携やライセンス契約を結ぶ場合のリスクもあります。上述の富士化水工業の事例では、日本企業が自社技術を中国企業に供与した際、第三者からその中国企業に特許権侵害の警告が届いたにもかかわらず日本側に伝えられず, 結果として日本企業自身も訴訟に巻き込まれて巨額の損害賠償を負うことになりました[34]。このような事態を防ぐには、契約書に「第三者から権利侵害の主張があった場合は速やかに通知する」旨の条項を盛り込んでおくことが有効です[34]。さらに、中国企業との合弁や委託生産では、技術漏洩や知財の流出リスクにも配慮する必要があります。中国企業側が契約範囲外で特許技術を使用したり、派生改良技術について権利を一方占有しようとする可能性もあるため、契約上で成果物の帰属や機密保持を厳密に定めておくべきです。

法制度上のリスクとしては、前述のように中国には技術輸出入管理条例に基づく契約登記義務や、税務当局による移転価格税制上のチェックも存在します。例えば、日本の親会社が中国子会社から特許を安価で買い取った場合、税務当局が「不当に安い価格による利益移転」とみなして追徴課税する可能性も指摘されています[3]。このような法規制の違いについても事前に把握し、適正な取引価格設定とコンプライアンス遵守が求められます。

以上のリスクに対し、日本企業が取るべき対応策としては以下の点が挙げられます:

  • 中国での権利取得:まず攻めの面では、自社の重要技術について中国でも特許権を取得しておくことです。権利を押さえておけば、防御やクロスライセンス交渉で優位に立てますし、万一競合に侵害された際には中国で差止め等を求めることも可能になります。近年、日本企業の対中特許出願件数も増加傾向にあります[25]。
  • 徹底した情報収集と現地専門家の活用:中国の知財制度や判例動向について常に最新情報を収集し、理解しておくことが重要です。社内に中国法務・知財の専門人材を育成するか、信頼できる現地の弁護士・弁理士と顧問契約を結びましょう。「郷に入っては郷に従え」で、中国特有の訴訟戦略(例えば有利な管轄地の選定や、証拠公証の活用など)についても専門家の助言を得ることがリスク軽減につながります。
  • 契約の工夫:中国企業と提携・取引する際の契約書では、前述の通知義務条項のほか、紛争解決条項で準拠法や管轄を自社に有利なよう定められないか検討しましょう。もっとも中国国内での効力確保には現地法に則った契約が必要となるため、内容に応じて中国語契約を用意し商務部への届出も怠らないようにします[14]。
  • 訴訟になった場合の備え:万一、中国で特許訴訟を提起された場合でも、和解交渉と並行して徹底抗戦の準備を行います。中国の裁判所は事案によっては証拠に基づき適切に判断を下すため、怯む必要はありません。早期に現地の弁護士と対応策を協議し、必要に応じて特許無効審判や並行輸入差止めなど複数の手を打ちましょう。また、不当なクレームに対しては和解金で安易に済ませるより、毅然と無効化に持ち込むことで将来的な訴訟リスクの抑止にもつながります。

中国企業による対日特許訴訟の増加

中国国内で知財訴訟が活発化する中、中国企業が外国企業を訴えるケースも増えています。とりわけ注目されるのが中国企業による日本企業への特許訴訟です。中国企業はこれまで模倣品対策など守りの文脈で語られることが多かったですが、近年はむしろ自社の特許を盾に積極的に攻勢に出る動きが見られます[26]。

例えば、2009年の富士化水工業事件では、中国企業が日本の富士化水工業を特許侵害で提訴し、最終的に最高人民法院が富士化水側に約5,000万元(約6億6千万円)もの賠償支払いを命じました[34]。この賠償額は当時の中国特許訴訟では異例の高額であり、中国企業の権利行使が本格化し始めた象徴的事例といえます。

さらに近年の例として、中国の大手電子機器メーカー小米(Xiaomi)社が、日本のパナソニックを相手取り特許侵害訴訟を提起したケースがあります。2024年9月、小米は自社の保有する通信技術関連の特許を侵害されたとして武漢の裁判所においてパナソニックを提訴しました[30]。これはパナソニックが欧州で小米に対して提起していた標準必須特許(SEP)訴訟へのカウンターとして、中国国内で逆に訴えたものとみられ、中国企業が自社の知財権を武器に日本企業と渡り合う姿勢を鮮明に示しています。

このように、中国企業は国内のみならず国際的にも知財戦略を強化しており、日本企業にとって油断できない相手となっています。特に中国市場で競合する分野では、現地企業が関連特許を多数取得し、日本企業に法的圧力をかけてくる可能性があります。日本企業は「中国企業=訴えてこない」という先入観を捨て、むしろ訴訟リスクは常に存在すると想定して準備すべきです。

一方で、前述の統計にもあるように、中国における知財訴訟で外国企業が被告となる割合は全体から見ればまだ低い(外国人当事者の訴訟のうち被告となったのは0.85%[27])ものの、だからといって安心はできません。この数字は外国企業が自ら原告となるケースが多いことも意味しますが、裏を返せば「中国企業による対外国企業の訴訟が全く無いわけではない」ということです。実際、上記のような億単位の賠償事例も現れている以上、日本企業としては訴えられるリスクにも備え、可能な限り紛争予防策を講じておくことが重要です。

中国と日本における特許価値評価と取引慣行の違い

中国で特許取引を行う際には、特許の価値評価や商慣行の違いにも注意する必要があります。特許の価値評価手法自体は国際的に共通する部分も多く、一般に「コストアプローチ(開発コストに基づく評価)」「インカムアプローチ(収益見込みに基づく評価)」「マーケットアプローチ(市場取引事例に基づく評価)」の3つが用いられます[3]。中国でもこれらの手法は導入されていますが、まだ収益化していない特許についてはコスト法による評価が採用される場合も多いとされています[3]。これは新興企業や大学研究所などが持つ未活用特許などで「将来性より開発コスト重視」の見積りが行われるケースを示唆しています。

また、取引形態の違いも顕著です。中国では特許のライセンス契約において、一括買い取り型(ランプサム)の取引が好まれる傾向があります。実際、特許実施許諾の60%以上が一時金(一括払い)方式で行われており、ロイヤルティ割合が10%未満というデータがあります[3]。これは継続的なロイヤルティ徴収よりも、最初にまとまった金額で精算する方が双方にとってリスクが低いという中国側の考えや、ライセンス料の支払い管理に伴う手間を嫌う風土が関係していると考えられます。一括払いであれば契約履行後の紛争も起きにくく、税務処理も簡便です。この点、日本企業はついロイヤルティ方式を想定しがちですが、中国企業との交渉では買い切りを提案される可能性を念頭に置き、適正価格の算定や支払い条件(分割払い可否など)について柔軟に検討することが必要です。

さらに、特許取引のプラットフォームやプロセスにも違いがあります。中国では政府主導の技術取引市場が発達しており、各地に技術取引所が存在します。これら公的プラットフォームで特許や技術のマッチングが図られ、補助金や税制優遇を通じた促進策も取られています。例えば「全国技術市場統計年報」によれば、中国では年間数十万件規模の技術契約が成立しており、その中には大学や研究機関から企業への特許ライセンスも多数含まれます[12]。一方、日本ではオープンな特許マーケットの規模は限定的で、企業間の相対交渉や特許仲介会社によるマッチングが主流です。この違いから、中国では公開オークション形式で特許売買が行われる場面もあります。日本企業としては、中国独自の市場環境を踏まえ、必要に応じて現地の特許流通業者ブローカーを活用することも検討すべきでしょう。

最後に、文化的な側面として、中国では交渉時に契約締結前の事前実施(タッチアンドトライ)が黙認されるケースや、契約後に条件の見直し交渉を求められることもあります。契約の解釈や履行に対する感覚も異なるため、日本の常識で安心せず、重要事項は書面で明確化し、履行状況もフォローすることが望まれます。

中国の知財強国戦略と特許制度の整備

中国政府は国家レベルで「知的財産権強国戦略」を掲げ、知財制度の充実と運用強化を図っています。2021年9月には「知的財産権強国建設綱要(2021~2035年)」という長期計画が公表されました[33]。これは13年ぶりに策定された15カ年計画であり、中国を知的財産権“大国”から“強国”へと飛躍させる青写真となっています[33]。同綱要では「2035年までに知的財産権分野で世界トップレベルの総合競争力を実現し、中国の特色ある世界水準の知財強国を基本的に完成させる」との目標が示されました[33]。これを受け、中国各部門が一斉に知財保護の強化策に動き出しています。

具体的な制度整備の面でも、この数年で大きな進展がありました。特許法については2021年に先述の改正が行われ、懲罰的賠償制度の導入法定賠償額上限の引き上げ意匠権の存続期間延長(10年→15年)やオープンライセンス制度の創設など、保護強化と取引促進の両面で改正がなされています[25]。オープンライセンス制度とは、特許権者があらかじめライセンス条件(実施料率など)を特許庁に登録公開し、希望者はその条件で実施許諾を受けられる仕組みで、未活用特許の流通を促す狙いがあります。これらの改正は日本企業にとっても追い風であり、質の高い特許を取得しておけば中国市場での収益化機会が広がることになります。

また、知的財産裁判所の充実知財専門人材の育成にも力が入れられています。先述の最高法院知財法廷の設立や、知財裁判例の公表充実(最高法院による年間10大知財案件の選定など)は、司法面での透明性と予見可能性を高めています。行政面では国家知識産権局(CNIPA)が特許・商標の審査期間短縮や質向上に努め、悪質な模倣品や不正競争への取り締まりも強化されています[33]。例えば中国全土で毎年展開される「雷霆(サンダーストライク)」という集中取締キャンペーンでは、海賊版や特許権侵害品の摘発が図られています。こうした努力により、中国の知財保護水準は徐々に改善しつつあります。

もっとも課題も残ります。依然として地方レベルでは知財保護の地域差があり、知財の質的向上(いわゆる「非正常出願」と呼ばれる実質価値の乏しい大量出願の抑制など)も道半ばです。しかし中国政府は知財強国戦略の一環として、質重視への転換や海外からの技術導入促進策を次々と打ち出しています[12]。日本企業としても、中国の政策動向を注視しつつ、自社の知財戦略を柔軟に適合させることが肝要でしょう。

中国特許を巡る今後の展望と実務上の留意点

以上のように、中国における特許の売買市場は拡大を続け、特許訴訟も量・質ともに高度化しています。この流れは今後も続くと予想され、中国は真の知財大国として世界の特許ビジネスをリードしていくでしょう。日本企業にとって中国は「脅威」であると同時に「巨大な機会」を提供する市場です。豊富な知財資源を持つ日本企業は、それを中国で攻めにも守りにも活用する戦略が求められます。

まず、未活用特許の収益化という観点では、中国企業への譲渡・ライセンスアウトは有望な選択肢です。中国の企業や投資家は、有望な海外技術に対して資金を投じる意欲があります。日本国内では活かせていない特許でも、中国では製品化ニーズがあるかもしれません。そうした技術を眠らせておくより、現地で価値を発揮させ収益を得る方が双方に有益です。特許のマッチングプラットフォームや専門業者を通じて、中国企業との接点を作り出す努力をしてみる価値は大きいでしょう。

一方で、中国でビジネスを行う上での知財リスク管理は欠かせません。前述したように、綿密なクリアランス調査、権利取得、防衛策の準備、契約面の注意など多岐にわたります。特に中国独自の実用新案制度や行政規制は、日本企業には馴染みが薄いため専門知識を有する人材の関与が必要です。社内で中国知財に通じた人材を確保できない場合は、外部の専門家ネットワークを積極的に活用しましょう。トラブルが起きてから対処するのではなく、「転ばぬ先の杖」として予防法務に投資することが、結果的に大きな損失を防ぐことにつながります。

本記事で述べたように、中国における特許売買・訴訟の実態は劇的に変化しており、そこにはリスクとチャンスが混在しています。日本企業は適切な知識と対策をもってこのダイナミックな環境に臨む必要があります。特許の収益化をお考えの特許保有者の方は、ぜひ一度「PatentRevenue」(https://patent-revenue.iprich.jp)への無料登録をご検討ください。自社の眠れる知財資産を、次なるビジネスチャンスへと繋げる一助となるでしょう。

(この記事はAIを用いて作成しています。)

参考文献

[2] JETRO「2022年度 特許流通委員会 活動報告」https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/ipg/2022/04y.pdf
[3] JETRO北京事務所「中国における知的財産を巡る現状と課題」(2022年11月)https://www.kyushu.meti.go.jp/seisaku/titeki/oshirase/221207_1_5.pdf
[12] IP FORWARDグループ「中国特許技術取引の概況と価値評価の考え方」(2023年7月)https://www.ip-fw.com/blog/105
[14] SciencePortal China「中国での技術ライセンス契約のリスク回避」(2019年8月)https://spc.jst.go.jp/experiences/howdojp/howdojp_1907.html
[15] 日経BP知財Awareness「特許訴訟が増加傾向の中国 迫られる日本企業の対応力」(2010年8月)https://miyoshipat.co.jp/jp/ip/data/2019/38/19052912270851735.pdf
[17] 北京大学知産法センター「中国証拠保全制度の最新動向」(2024年)http://www.pkulaw.cn/IP_evidence2024.pdf
[22] IAM日本語版「中国特許訴訟の実態と外国企業の戦い方」(2022年)https://www.iam-media.com/ip-litigation/china-analysis-2022
[25] 国家知識産権局「中国専利法(2020年改正条文)」http://www.cnipa.gov.cn/art/2021/6/1/art_39_158784.html
[26] 中国最高人民法院「知的財産権司法保護白書(2023)」http://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-400301.html
[27] 中国最高人民法院「外国人当事者関与知財事件統計(2019)」http://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-246554.html
[28] 弁理士法人京都国際特許事務所「中国 最高人民法院内に知的財産専門法廷」(2018年)https://kyopat.jp/news/2018/11/post_81.html
[30] Sisvel社ニュース「Xiaomi sues Panasonic in China」(2024年9月)https://www.sisvel.com/insights/tech-giants-accused-of-licence-collusion-xiaomi-sues-panasonic-in-china-us
[32] 日本弁理士会『パテント』70巻8号 廖一帆「中国からみた日中の知財業界所感」(2017年)https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/2876
[33] JETRO「13年ぶりの長期計画にみる知的財産強国への布石」(2022年)https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/0901b2e9e1db843b.html
[34] 日経BP知財Awareness「富士化水工業事件に学ぶ中国特許訴訟の教訓」(2010年)https://bizboard.nikkeibp.co.jp/ip/itpro/report/members/20201005china.html
[39] SciencePortal China「中国実用新案制度の概要とリスク」(2023年)https://spc.jst.go.jp/ip/ipcs/china_utility_model2023.html

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