AIが発明者になる日!?裁判と制度の行方

株式会社IPリッチのライセンス担当です。今回は急速に進化する人工知能(AI)が発明の現場に与える影響を考え、「AIは発明者になれるのか?」という疑問に答えるため、知的財産推進計画2025や最新の判例をもとに日本の法制度上の課題を解説します。AIを活用した創作が増える今、法制度がどう対応すべきかをご紹介し、最後には知財の収益化に関するポイントもお伝えします。
AI発明者をめぐる特許制度の現状
生成AIや大規模言語モデルが論文や技術アイデアを生成するようになり、研究開発の一部をAIが担う事例が増えています。しかし日本の特許法には発明者の明確な定義がなく、裁判例では「発明の技術的特徴の具体化に創作的に関与した自然人」が発明者とされています。AIそのものは人格や権利能力を持たないため、現行制度上は発明者に該当しません。AIが作り出した成果について誰が権利を有するかという問題は、従来の共同発明にも増して複雑化しつつあります。
知的財産推進計画2025におけるAI発明
2025年3月に公表された知的財産推進計画2025では、生成AIなどの普及を踏まえ、「AIを利用した発明」に関する制度課題が明記されました。計画は、AI開発者や利用者の関与度合いを考慮しながら発明者の在り方を検討し、権利の共有関係が社会実装の障害とならないよう早期に結論を得るよう求めています。これは政府が初めて政策レベルでAI発明者問題に取り組む姿勢を示したものとして注目されました。
特許制度小委員会での議論
知的財産推進計画を受け、特許庁の産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会ではAI発明の扱いが議論されています。議事録によると、AIを活用した発明でも人間が創作過程に関与している限り従来どおり「発明」として保護すべきであり、そうしないとAI活用が萎縮するおそれがあると指摘されています。一方で、完全に自律したAIが生成した成果を特許法上の発明とするべきかについては疑問が呈され、モチベーションを持たないAIに権利を付与しても制度目的に沿わない可能性があるとも述べられました。小委員会では、自然人の関与がほとんどない場合に発明者不在として出願が却下されるリスクや、特許侵害訴訟でAI利用を理由に無効抗弁が繰り返される懸念も示されており、AI利用を萎縮させない制度設計が必要とされています。
国内外の裁判例・国際動向
AI発明者問題は国内外で裁判争点となりました。日本では2024年5月の東京地裁判決と2025年1月の知財高裁判決が、AIは特許法上の発明者に該当しないと明確に示しました。裁判所は、知的財産基本法が発明を「人間の創造活動」と定義していることや、出願書類に自然人の氏名記載を求める特許法、AIに権利能力がないことを根拠にし、AI発明者問題は立法で解決すべきだと述べています。
国際的にも主要国は「発明者は自然人に限る」との姿勢です。オーストラリアでは一度AIが認められましたが、2022年に連邦裁判所がこれを覆しました。欧州特許庁や英国でも、発明者は法的能力のある人物に限るとされ、AIが記載された出願は拒絶されています。米国でもUSPTOと裁判所が同様の立場を取っています。唯一の例外は形式審査中心の南アフリカで、2021年にAIを発明者とする特許が付与されました。
AI自律発明に対する課題と制度の方向性
現行特許制度は発明者に独占権を与えて創作を促すものですが、AI自律発明ではAIには動機付けがないため、この理念が成り立ちません。さらに、誰が権利を享受するのか不明確なため、AI開発者、データ提供者、利用者などが対立するおそれがあります。
今後の制度としては、自然人が創作に関与したAI利用発明を明確に保護すること、完全自律的なAI発明は特許制度で保護せず他制度で技術情報の流通を促すことが検討されています。発明の定義と権利配分の基準を明確にすることでAI利用の萎縮を避け、AI時代に適合した知財制度を構築すべきだとの意見が提案されています。
知財の収益化とAI技術
AI技術の進展は新たな発明の機会を生み、従来にない価値をもたらします。人間が創作過程に関与している限り、AIを活用した発明は現行特許制度の枠内で保護されるため、企業や研究者は積極的に出願し、知財の収益化を図ることが重要です。特にAI開発者やデータ提供者が共同発明者として認められる場合、その権利関係を明確にしておくことが、将来のライセンス交渉や資金調達で有利に働きます。また、ライセンス料や権利売却を通じてAI技術の価値を最大化することは、AI時代の競争優位性確保にも直結します。
私たち株式会社IPリッチは、発明者の適切な認定と知財の収益化支援を通じて、AI時代の技術革新を後押ししていきます。最後に、保有特許の活用を検討している皆様へお知らせです。当社が運営する特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」では、特許を無料登録することで売却やライセンス交渉の機会を広げられます。詳しくは「https://patent-revenue.iprich.jp」をご覧ください。
(この記事はAIを用いて作成しています。)
参考文献
- ユアサハラ法律特許事務所「知的財産推進計画2025とAI技術の進展を踏まえた発明等の保護」(2025年) https://www.yuasa-hara.co.jp/ yuasa-hara.co.jp
- ユアサハラ法律特許事務所「AI発明についての議論の進展(産業構造審議会知的財産分科会第54回特許制度小委員会)」(2025年) https://www.yuasa-hara.co.jp/lawinfo/5859/ yuasa-hara.co.jpyuasa-hara.co.jpyuasa-hara.co.jpyuasa-hara.co.jp
- Jones Day “The Tokyo District Court Holds an Artificial Intelligence System Cannot Be an Inventor Under Japanese Patent Law” (2024年) https://www.jonesday.com/en/insights/2024/06/tokyo-court-holds-ai-system-cannot-be-inventor-under-patent-law jonesday.comjonesday.com
- ユアサハラ法律特許事務所「人工知能ダバス(DABUS)に関する令和7年1月30日知財高裁判決とAI発明に関する考察」(2025年) https://www.yuasa-hara.co.jp/lawinfo/5599/ yuasa-hara.co.jp
- ウィキペディア「DABUS」 https://ja.wikipedia.org/wiki/DABUS ja.wikipedia.orgja.wikipedia.orgja.wikipedia.orgja.wikipedia.orgja.wikipedia.org

