知財の収益化に成功した企業のストーリーと特許活用戦略

特許権の売買とライセンス:ある経営者の挑戦ストーリー

こんにちは、株式会社IPリッチのライセンス担当です。この記事では、ある中小企業の経営者が自社の特許を活用して「知財の収益化」に挑むストーリーを通じて、特許権の売買とライセンスの基礎知識をご紹介します。特許は単なる技術の防御手段ではなく、上手に活用すれば会社の新たな収益源となり得る重要資産です。本記事を読むことで、特許権を第三者にライセンス供与・売却する際のメリットや注意点を学び、自社の眠れる知的財産をビジネスの成長につなげるヒントをつかんでいただければ幸いです。

目次

特許権の基礎とビジネス資産としての可能性

物語の主人公は、都内で製造業を営むK社の若き社長・田中さんです。田中さんは独自の技術アイデアから画期的な製品を開発し、苦労の末に特許権を取得しました。特許庁から特許証が届いた日、彼は自社の技術が法的に守られたことに胸を躍らせました。特許とは、新しい技術や発明に対して政府から与えられる独占的な権利です。その権利は通常、出願から20年間存続し、その間は他社が無断で同じ発明を実施することを排除できます。つまり田中さんは、自社の発明を独り占めして市場展開できる強力な武器を得たわけです。

しかし田中さんはふと考えました。「この特許権、自社で使うだけではもったいないのではないか?」と。特許権は法律上財産権でもあり、技術を自社製品に活用するだけでなく、他社に提供して対価を得ることも可能だと知ったからです。要するに、特許とは自社技術を守る盾であると同時に、上手に使えば資金を生み出す資産にもなり得るのです。田中さんはこの事実に気づき、自社の特許を活用して収益を上げる道を模索し始めました。

ライセンス契約の提案:特許を他社に貸し出す選択肢

田中さんが最初に直面した選択肢は、自社の特許を他社にライセンス供与することでした。ある日、田中さんは知財コンサルタントとの打ち合わせでこう提案されます。「この技術、必要としている企業に使用許諾(ライセンス)してみてはどうでしょう?」。ライセンスとは、特許権者(田中さん)が特許の所有権を持ったまま、相手方(ライセンシー)にその発明を利用する権利を与える契約のことです。契約を結べば、田中さんはライセンシー企業からライセンス料(ロイヤルティ)という形で継続的な収入を得られます。一方、ライセンシー側は自社に無い先進技術を活用できるため、自前で一から開発する時間や費用を節約できます【1】。互いにメリットがあるwin-winの関係に思えました。

「具体的にはどういう契約形態になるのですか?」と田中さんが尋ねると、コンサルタントはライセンス契約の種類について説明を始めました。ライセンスには、大きく分けて独占的ライセンス非独占的ライセンスがあります。例えば「専用実施権」と呼ばれる独占的ライセンスを付与すれば、ライセンシー(相手方企業)はその特許発明を独占的に実施できる権利を得ます。ただし日本国内で専用実施権を設定する場合、特許庁への登録手続きが必要であり、その内容が公開される決まりです。一方、「通常実施権」と呼ばれる非独占的ライセンスであれば、特許権者が複数の企業に同じ発明の実施を許諾できます。通常実施権は特許庁への登録が不要で、契約内容も非公開にできます。田中さんは「独占か複数許諾か」で戦略が変わることに驚きつつ、自社の状況に合ったライセンス形態を検討し始めました。

もちろん、ライセンス契約を結ぶ際には契約条件を明確に定めることが重要です。田中さんはコンサルタントの助けを借りて、契約書に以下のような事項を盛り込むことにしました。まず、ライセンス対象となる特許を特許番号や発明の名称できちんと特定すること。次に、その特許を使ってよい範囲(用途・地域・期間など)を明示すること。さらにライセンス料の支払い条件(例:最初に契約一時金を支払い、その後は製品売上に応じてロイヤルティを支払う等)や、契約期間・終了条件も決めます。また今回田中さんは、自社も引き続きその特許技術を使いたいと考えたため、非独占的ライセンスとする方針にしました。もし特定の一社に独占利用させる専用実施権にしてしまうと、自社自身がその技術を自由に使えなくなるためです。加えて契約には、ライセンシーに対して製品の品質維持義務を課す条項も入れました。自社の大事な技術の評判が、相手先のいい加減な製品づくりで損なわれては困るからです。

ライセンス供与には多くのメリットがあります。田中さんは契約書作成を進めながら、その明るい展望に思いを巡らせました。第一に、他社から定期的に入るロイヤルティ収入です。自社で製品を作って販売しなくとも、ライセンシーの売上に応じて継続的な収益が見込めます。これは安定したキャッシュフローの確保につながり、会社の財務基盤強化に役立つでしょう。第二に、自社の技術が様々な製品に組み込まれることで技術の普及が進み、業界内での技術的な影響力やブランド価値が高まります。田中さんの発明した技術が業界標準になれば、自社の名前も知られ、新たな共同開発やビジネス機会につながるかもしれません。第三に、複数の企業にライセンスすれば結果的に市場シェアの拡大も期待できます。自社一社では参入しきれない市場セグメントにも、他社経由で自社技術を載せた製品が進出し、マーケット全体で見れば田中さんの技術が広く使われることになるからです。

とはいえ、ライセンス供与にも注意点があります。田中さんはメリットと同時にリスクにも思いを巡らせました。まず、ライセンシーの選定です。いくら契約で縛っても、信頼できる相手でなければ十分なライセンス収入を得られなかったり、技術を横流しされてしまったりする可能性があります。「契約相手は慎重に選ばないと」と田中さんは心に留めました。また今回は非独占的ライセンスにしましたが、もし独占的ライセンスを与える場合は自社も同じ技術を自由に使えなくなる点に留意する必要があります。他社に独占権を与えた途端、自社ではその特許発明に基づく新製品を勝手に作れなくなるからです。さらに契約締結後も気は抜けません。田中さんは、自社の知財担当者にライセンシーの特許実施状況やロイヤルティ支払状況を定期的にモニタリングさせる体制を整えることにしました。必要に応じて契約を見直せるようにし、万一支払い遅延など問題が起きたときにも迅速に対処できるよう備えたのです。このように万全の準備をした上で、田中さんはついに一社のライセンシー候補と契約交渉に入っていきました。

特許権の売却という決断:譲渡で得る資金とリスク

ライセンス交渉が進む一方で、田中さんの頭にはもう一つの選択肢が浮かんでいました。それは、特許そのものを売却(譲渡)してしまうことです。ライセンス契約では特許権を持ったまま貸し出しますが、特許の売買とはその特許権自体を他者に譲渡し、所有権を完全に移転することを指します。法律上、特許権は他人に譲り渡すこと(移転)が認められており、ひとたび売却すれば元の権利者(田中さん)はその特許に関する一切の権利を失います。代わりに新たな買い手が特許権者となり、以後はその会社が独占権を行使できるようになります。田中さんにとって、苦労して得た特許を手放すのは容易な決断ではありません。しかし事業戦略上、売った方が有効に活用できる場合もあると彼は考え始めました。

特許を売却するメリットもまた魅力的でした。何より、まとまった資金の獲得です。特許を売れば、一時金として大きな収入を得られます。田中さんは試算しました。もしこの特許を相応の価格で売却できれば、その資金を使って新たな事業に投資したり、自社の研究開発費に充てたりできるはずです。さらに特許を売れば、毎年支払っていた特許維持年金(年額料)などのコスト負担も買い手に移ります。遊ばせている特許に維持費を払い続けるくらいなら、売ってしまって資金化した方が会社にプラスだと彼は考えました。

次に製品化リスクの回避です。せっかく特許を取ったものの、自社だけでは技術を製品化・事業化するのが難しいケースもあります。田中さんの会社は中小企業ゆえ、大企業のような潤沢な資金も人材もありません。「この技術を形にするのはウチの規模では大変かもしれない…」と田中さんは感じていました。そこで信頼できる大手企業に特許を託してしまえば、自社で製品開発を行うリスクや負担を避けつつ特許から収益を得られます。実際、製品化に必要な資金やノウハウが不足している場合には、しかるべき企業に特許を譲渡して活用してもらう方が理にかなっています。田中さんは、「自分たちでは宝の持ち腐れになってしまう発明でも、他社なら世に出せるかもしれない」と考えました。

そして三つ目のメリットは、技術の有効活用と社会貢献です。社内で持て余して眠らせておくくらいなら、他社に譲るなりライセンスするなりして、その技術が社会で広く使われる機会を増やした方が良い—これはコンサルタントから聞いた言葉ですが、田中さんの心にも響きました。「ウチでは実現できなかった製品やサービスに、この特許技術が活かされるかもしれない。それは発明者として本望だし、世の中の役に立つなら嬉しいことだ」と。たとえ自社の手を離れても、自分の生み出した技術が世に出て人々の生活を支える。発明者冥利に尽きるではないか—田中さんはそう前向きに捉えたのです。

一方で、特許の売却には注意すべきポイントも多々あります。田中さんは安易に手放して後悔しないよう、慎重に準備を進めました。まず課題となったのは適正な価値評価です。特許の価値は技術の独自性や市場規模、残存期間などによって左右されますが、素人判断で正確に見積もるのは難しいものです。田中さんは社内の知財担当と協議し、自社だけで判断が難しい場合は知的財産に詳しいコンサルタントや弁理士に評価や売却仲介を依頼することも検討しました。また売却しようとしている特許の中には、他社と共同出願したものが一件ありました。さらに別の特許では、以前取引先企業とクロスライセンス契約(お互いの特許を相互に実施許諾する契約)を結んでいます。こうした場合、売却には事前に関係者から適切な同意を得る必要があります。田中さんは共同出願先やクロスライセンスの相手企業に連絡を取り、譲渡の許可を得るプロセスも抜かりなく進めました。

契約面で特に気を付けたのは表明保証条項です。特許譲渡契約書を作成する際、田中さん側(売り手)が「自分こそがその特許の真正な権利者であり、特許権は有効に存続している」ということを買い手に保証する条項を設けました。こうした条項は、万一取引後に特許が無効だったり他人にも権利があったりしてトラブルになるリスクを減らす効果があります。せっかく売却しても、後から「権利に瑕疵があった」などと紛争になっては台無しです。田中さんは弁護士の助言も受けながら契約書の細部まで慎重に詰め、価格交渉に臨みました。このように万全の準備を経て、田中さんはある有力企業との間で特許譲渡契約を結ぶ決断を下したのです。

特許収益化戦略の完成とプラットフォーム活用

こうして田中さんは、自社の特許を活かすためにライセンス供与売却という二つの道を模索しました。結果的に彼は、特許ポートフォリオ全体を俯瞰したハイブリッド戦略にたどり着きます。すなわち、自社事業の中核となる重要技術の特許は引き続き自社で独占活用しつつ、周辺技術や自社では活用しきれない特許については積極的に外部展開する方針です。具体的には、いくつかの特許について他社とのライセンス契約を結び、安定したロイヤルティ収入源としました。また別の未活用特許については思い切って売却し、一時金収入を得て新規事業の資金に充てることにしました。

この戦略により、田中さんの会社は知的財産を眠らせず有効活用できるようになりました。特許には権利存続期間があります。活用しないまま放置していれば、20年の期限が来て権利が失効してしまいます。「それでは宝の持ち腐れだ」と田中さんは痛感しました。だからこそ定期的に自社保有特許を見直し、ビジネス戦略に照らしてどの特許を社内利用し、どの特許を社外展開するかを検討することが大事なのです。今回の経験を通じて、田中さんは知財マネジメントの視野を大きく広げることができました。

さらに田中さんは、特許のライセンス供与や売買を効率的に進めるために専門プラットフォームの活用も始めました。実は近年、特許取引に特化したオンラインプラットフォームが日本でも登場しています。こうしたサービスを利用すれば、自社だけでは見つけられなかったライセンス先や買い手企業と出会える可能性が飛躍的に高まります。田中さんも早速あるプラットフォームに自社の特許情報を登録しました。すると、これまで接点のなかった業界の企業から問い合わせが来るなど、新たな展開が生まれました。プラットフォーム運営側の専門スタッフが交渉や契約手続きもサポートしてくれるため、知財取引の経験が浅い田中さんにとって大変心強いものでした。大企業ほどの人脈がなくても、オンライン上で効率よく特許取引の機会を得られる――この新しい仕組みに、田中さんは大きな可能性を感じています。

ストーリーは以上です。田中さんの挑戦から見えてきたように、特許権は自社で使うだけでなく他社へのライセンス供与や譲渡によって収益化できる資産です。みなさんの会社にも「使い道のないまま眠っている特許」はありませんか?もし「特許の収益化」にご関心をお持ちでしたら、特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」(https://patent-revenue.iprich.jp)に無料登録してみてはいかがでしょうか。PatentRevenueは国内外の特許の売り手・買い手・ライセンシー希望者が集まるオンラインマーケットで、専門家の支援のもと安全かつ効率的に特許取引を進めることができます。ぜひ貴社の眠れる特許資産を有効に活用し、新たな収益源として事業成長につなげてください。

(この記事はAIを用いてhttps://patent-revenue.iprich.jp/%e4%b8%80%e8%88%ac%e5%90%91%e3%81%91/918/を再構成して作成しています。元の記事もご覧ください)

参考文献

  1. 独占的通常実施権とは?専用実施権との違いまで解説(マネーフォワード ビジネス, 2022年)特許権の専用実施権と通常実施権(独占的通常実施権)の違いや手続きについて解説した記事。URL: https://biz.moneyforward.com/contract/basic/4129/
  2. 特許の売買による知財戦略(PlusVisionコラム, 2024年9月13日)特許を自社利用だけでなく他社への売買・ライセンスで活用するメリット等について解説した記事。URL: https://vision00.jp/column/9470/
  3. 知的財産の契約に関する基礎知識(独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT))知的財産権の譲渡や実施許諾(ライセンス)契約の基礎を解説した教材(PDF)。URL: https://www.inpit.go.jp/content/100874699.pdf
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