M&Aで後継者探し:会社を未来につなぐ方法

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

昨今、日本では中小企業の経営者高齢化が進み、「後継者がいない」という事業承継問題が深刻化しています。本記事では、経営者や個人事業主、起業家の皆様に向けて、後継者不在の危機にどのように対応し、M&A(企業の合併・買収)という手段で会社を未来につなぐ方法をわかりやすく解説します。知的財産の収益化にも触れながら、事業承継に役立つポイントやメリットを見ていきましょう。

目次

後継者不在問題が会社にもたらす影響と現状

日本の中小企業の約半数には後継者が未定という現実があります。実際、2023年時点で中小企業の後継者不在率は54.5%にも上り、依然として多くの会社で後継者が決まっていません【1】。経営者の高齢化に伴い、事業を引き継ぐ人が見つからないまま廃業に追い込まれるケースが増えています。特に、平均引退年齢(70歳)を超える経営者は2025年までに約245万人に達し、そのうち約127万社(日本企業全体の1/3)が後継者未定と試算されています【2】。この「2025年問題」とも呼ばれる状況を放置すると、今後10年間で累計約650万人の雇用約22兆円のGDPが失われる可能性があると警告されています【2】。

後継者不在は単に一社の問題に留まらず、日本経済全体にも大きな影響を及ぼします。実際、後継者不足が原因の「後継者難倒産」は年々増加傾向にあり、2024年には462件(前年より7.4%増)と5年連続で過去最多を更新しました【4】。多くの企業で社長が高齢のまま後継者が見つからず、事業継続が困難になっているのです。このような状況では、従業員の雇用喪失や培ってきた技術・ノウハウの消失といった弊害も無視できません【2】。つまり、後継者不在は会社存続の危機であり、早急な対策が求められています。

後継者不在をM&Aで解決し会社を未来につなぐ選択肢

では、「後継者がいない」という問題に対し、どのような解決策があるのでしょうか。その有力な選択肢の一つがM&Aによる第三者への事業承継です。M&A(エムアンドエー)とは、会社や事業の合併・買収を通じて他の企業や個人に事業を引き継いでもらう手法です。親族や社内に後継者がいなくても、M&Aを活用すれば社外の適任者や企業に会社を引き継ぐことが可能になります【3】。これは「第三者承継」とも呼ばれ、近年注目されている事業承継の手段です。

M&Aで事業承継するメリットは多岐にわたります。まず、会社を譲渡することで現経営者は事業売却益を得られ、引退後の資金を確保できます【3】。また、廃業とは異なり、会社の名前やブランド、取引先との信用といった無形の資産が次のオーナーに引き継がれ、事業が継続します。これは長年築き上げてきた企業の信用や地域社会への貢献を未来につなぐことにつながります。さらに、事業を引き継ぐ側(買い手)にとっても、ゼロから起業するより既存の顧客基盤や従業員、ノウハウを活用できるため、成長の近道になります。国もこの第三者承継を後押ししており、各地に「事業承継・引継ぎ支援センター」を設置するなどマッチング支援策を充実させています。つまり、M&Aは後継者不在という課題に対する Win-Win の解決策と言えるでしょう。

特に見逃せない点は、M&A後の従業員の雇用維持です。社長が交代することに不安を抱く社員もいるかもしれませんが、実際には8割以上のケースでM&A後も従業員の雇用が完全に守られています【3】。買収する側にとって、引き継いだ事業を発展させるには熟練した従業員の力が欠かせないため、通常は雇用継続に積極的です【3】。このように、M&Aを活用すれば経営者は安心してバトンを渡すことができ、従業員も雇用や待遇の安定が図られます。後継者がいないからといって即座に廃業を選ぶのではなく、M&Aという「会社を未来につなぐ」選択肢を前向きに検討する価値があるのです。

M&Aによる会社承継の成功ポイントと注意点

もっとも、M&Aで会社を承継するには事前の準備と適切な手続きを踏むことが重要です。ここでは、後継者不在の経営者がM&Aを成功させるための主なポイントと留意点を紹介します。

  • 早めの準備開始: 事業承継型M&Aは相手探しや交渉に時間がかかるため、計画は早めにスタートしましょう。経営者が高齢で急に健康上の問題が起これば、十分な準備ができないまま廃業リスクが高まります。理想的には引退を考える5年前から準備し、専門家に相談し始めると良いとされています。早期に着手すれば、自社の強みを整理し適切な譲渡先を見つける余裕が生まれます。
  • 会社の財務・法務の整理: 買い手にとって魅力的な会社に見せるため、帳簿や契約関係を整理し、隠れた負債や法的リスクがないようにしましょう。売却前に不採算事業を整理したり、簿外債務を洗い出すことで、買収後のトラブルを防ぎ会社の価値を適正に評価してもらえます。特に知的財産や許認可、契約面の問題はデューデリジェンス(買収監査)でチェックされるため、事前に確認・整備が必要です。
  • 適切なマッチング: 自社の事業内容や理念にマッチする買い手を探すことが、承継成功の鍵です。業界内での知人紹介や、M&A仲介会社・金融機関が運営するマッチングプラットフォームを活用し、信頼できる相手を見極めましょう。譲渡後に企業文化の違いで混乱が生じないよう、買い手候補の企業文化や経営方針も考慮することが大切です。
  • 従業員・取引先への配慮: M&Aを進める際は情報管理に注意しつつ、従業員や主要取引先には適切なタイミングで説明を行いましょう。従業員の雇用や待遇が維持される見通しや、取引先との継続契約について透明性を持って共有することで、関係者の不安を和らげ円滑な承継につながります。買い手企業と協力し、従業員説明会を開いたり、取引先への連絡を調整することも必要でしょう。
  • 専門家の活用: M&Aは法務・財務など専門知識が必要となる場面が多々あります。経験豊富なM&Aアドバイザーや公認会計士、弁護士(特に知財に詳しい弁護士)など専門家のサポートを受けることで、適正な会社評価(バリュエーション)や契約交渉を進められます。とりわけ知的財産(特許や商標等)の扱いは専門知識が求められるため、必要に応じて知財の専門家を交えて交渉・契約を詰めると安心です。

これらのポイントを押さえれば、後継者がいなくても自社の事業と社員の未来を守るベストな承継を実現できる可能性が高まります。M&Aによる会社承継は一見ハードルが高いように感じられるかもしれませんが、入念な準備と信頼できる専門家の助けにより、円滑かつ満足のいく形で会社を次世代へと引き継ぐことができるでしょう。

知財の収益化で会社資産を最大限に活用する

後継者不在の問題に直面した際、もう一つ注目すべき視点があります。それは、会社が保有する知的財産(特許や商標等)を収益化することです。事業そのものを譲渡・売却するM&Aと併せて、知的財産の価値を見直し有効活用することで、会社の資産を最大限に活かすことが可能になります。

特許や商標といった知的財産は、形のない資産でありながら大きな価値を生み出し得るものです。例えば、自社で使い切れていない特許技術があれば、他社にライセンス(実施許諾)することで継続的なロイヤリティ収入を得られます【5】。実際、世界には特許ライセンス収入だけで巨万の富を築いた発明家も存在します。その一人が米国の発明家ジェローム・レメルソンで、彼は数多くの基本特許を保有し、産業界でその技術が広く使われるのを待ってから巨額のライセンス料を企業に求めました。その結果、何兆円もの資産を特許ライセンスで築き上げたと伝えられています【5】。この例が示すように、他社が使用している(裏を返せば「侵害している」)特許ほど市場ニーズが高く、その権利行使による収益も大きくなり得るのです。つまり、現在進行形で他社に使われている自社特許があるなら、それは放置せず適切な形で対価を得ることで、会社にとって貴重な収益源となります。

しかし実際には、大多数の特許は十分に活用されていないのが現状です。世界知的所有権機関(WIPO)によれば、特許発明のうち商業化(収益化)されているものはわずか5~7%程度に過ぎず、残りの90%以上は眠ったままだとされています【6】。日本企業においても、特許を取得したものの自社では事業化せず放置しているケースが少なくありません。これは裏を返せば、眠っている知財を収益化する余地がそれだけ大きいということでもあります。例えば、自社では使っていない特許技術でも、必要としている企業は他に存在するかもしれません。特許権を売却したりライセンス供与すれば、自社で事業を続けられなくとも知財から収入を得続けることが可能です。

後継者不在で事業継続が難しい場合でも、知財の収益化は会社や創業者にもたらす利益を最大化する有効な戦略です。M&Aで会社そのものを譲渡する際にも、自社の特許・商標の価値をしっかり把握して交渉に反映させることが大切です。買い手によっては「特許にはあまり価値を感じない」と評価される場合もありますが、その場合は特許だけを手元に残し、事業部分のみ譲渡するという選択肢も考えられます。実際、M&A契約では特許など知財資産の扱いについて特約を結ぶケースもあり、売り手が特許権を保持したまま買い手企業に当該特許をライセンスバックする(再実施許諾する)ことで、売却後もライセンス収入を得る仕組みを構築することも可能です。要するに、後継者がいなくて会社を手放す場合でも、自社の知的財産権を最後の砦として有効活用すれば、創業者の築いた技術やアイデアから引き続きリターンを得ることができるのです。

知財の収益化を検討する際は、まず自社の特許や商標がどの程度他社に利用されているか、市場で需要があるかを調査しましょう。もし既に他社製品やサービスで自社特許の技術が使われているようであれば、訴訟による権利行使だけでなく友好的なライセンス提案によって相手から使用料を得る道を探るのも一策です。訴訟を経ずにライセンス契約を結べれば、双方にとって迅速かつ費用負担の少ない解決となり得ます。専門のプラットフォームや仲介会社を利用すれば、ライセンスを求める企業とのマッチングも効率的に進められるでしょう。

おわりに:会社の未来と知財の可能性を諦めないで

後継者がいないという問題に直面した経営者にとって、M&Aによる事業承継知財の収益化は会社を未来につなぐ両輪となり得ます。事業そのものは信頼できる第三者に引き継ぎ、培った知的財産は別の形で活用することで、創業者の想いと会社の価値を最大限に残すことができます。大切なのは、決して悲観的にならず早めに行動を起こすことです。国や支援機関、専門家の力を借りながら、自社に最適な承継プランを描いてみてください。事前準備と適切な判断さえあれば、「後継者がいない」というピンチをチャンスに変え、あなたの会社を次のステージへと導くことができるでしょう。

最後に、知的財産をお持ちの方はぜひその可能性を眠らせないでください。 特許権をお持ちの場合は、「PatentRevenue」(https://patent-revenue.iprich.jp)にご自身の特許を登録し、ライセンス希望企業とのマッチングによる収益化を検討してみましょう。現在進行形で侵害されている特許であれば尚更、その価値を正当に評価し将来の収益につなげるチャンスです。貴社の知財が、次なるビジネスチャンスや収入源となる可能性を是非追求してみてください。

(この記事はAIを用いて作成しています。)


参考文献

  1. 中小企業庁 「2024年版中小企業白書」 第1部 第3章 第6節 事業承継 (2024年) – 後継者不在率など事業承継の現状データ 【URL】https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/chusho/b1_3_6.html
  2. 中小企業庁 「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」 (2019年11月) – 2025年問題に関する統計(高齢経営者数、雇用・GDP試算等) 【URL】https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/hikitugigl/2019/191107hikitugigl03_1.pdf
  3. 中小企業庁 「事業承継を知る」 (公式ウェブサイト) – 第三者承継(M&A)の解説、従業員雇用維持率等の事例 【URL】https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/know_business_succession.html
  4. 東京商工リサーチ 「2024年の『後継者難』倒産 過去最多の462件 建設業、サービス業他など労働集約型が上位に」 (TSRデータインサイト, 2025年1月20日) – 後継者難倒産件数の年間推移に関する調査【URL】https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200868_1527.html
  5. 日本弁理士会(社長の知財)「特許で巨万の富を築く人物も!みんなが気になるライセンス収入事情とは」 – 海外発明家の特許ライセンス収入事例、ライセンス収益の概況 【URL】https://www.jpaa.or.jp/shacho-chizai/episode/%E7%89%B9%E8%A8%B1%E3%81%A7%E5%B7%A8%E4%B8%87%E3%81%AE%E5%AF%8C%E3%82%92%E7%AF%89%E3%81%8F%E4%BA%BA%E7%89%A9%E3%82%82%EF%BC%81-%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%8C%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B/
  6. 世界知的所有権機関(WIPO)「Inventing the Future – An Introduction to Patents for Small and Medium-sized Enterprises」 (WIPO出版物No.917.1) – 特許の商業化割合や特許制度の解説 【URL】https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo_pub_917_1.pdf
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