要約・読み上げ・紹介:著作権侵害のボーダーライン

株式会社IPリッチのライセンス担当です。
近年、YouTube やブログで「本の要約・朗読・紹介」を行うチャンネルが急増しています。しかし、無断で作品内容を公開した結果、著作権侵害として動画削除や損害賠償の対象になるケースも少なくありません。本記事では「どこまでがセーフで、どこからがアウトか」を具体例と法的根拠を示しながら解説し、ビジネスを行う立場として必須の“知財の収益化”という視点も交えて対策を提案します。
本 要約 著作権――ストーリー要約はどこまで許される?
書籍の要約は内容のエッセンスを短時間で伝えられるため需要が高い一方、著作権侵害の温床にもなり得ます。著作権法は創作的な「表現」を保護し、物語の筋書き(プロット)や登場人物の配置、結末まで含めた詳細な要約を無断で公開することは翻案権(著作権法27条)に抵触する可能性が高いと解されています。文化庁の著作権 Q&A も「作品のあらましが分かる要約は著作権者の許諾が必要」と明言しています[1]。
2021 年には映画を十数分に編集したいわゆる「ファスト映画」を YouTube に投稿した人物らが逮捕され、推定約 900 億円の損害が業界に発生したとも報じられました[2]。要約行為だからセーフというわけでは決してなく、「原作を読まなくても内容が理解できるレベル」でまとめる行為は実質的に作品を再提供していると見なされやすいのです。
一方、文化庁は2〜3 行程度の極めて短い紹介文やキャッチコピー程度の表現であれば「著作権が働く利用とは言えない」としています[1]。例えば「◯◯時代を舞台に若き英雄が成長する物語」といった一文ならば、作品の独自表現に深く立ち入らず、概要のみを伝える範囲にとどまるため、許諾なしでも認められる可能性が高いといえるでしょう。要約の安全ラインは「読者が原作を購入・閲読しなければ全体像がつかめないレベルにとどめる」ことだと覚えてください。
読み上げに関する著作権――朗読配信で抱える三つのリスク
朗読は文字を音声化して共有できる有効な手段ですが、オンラインで公開する場合には以下の三つの権利が問題となります。
- 口述権(24条):著作物を公に朗読する権利
- 複製権(21条):録音・録画ファイルを制作する行為
- 公衆送信権(23条):動画サイトなどで配信する行為
著作権者の許諾なく全文朗読を録画し動画共有サイトにアップする行為は、上記 3 権利を同時に侵害し得る違法行為と評価されます[3]。出版社各社は 2020 年以降「絵本の読み聞かせ動画を無断公開しないでください」と公式に呼びかけ、発見次第削除要請を行っています[4]。
もっとも、対面での非営利・無報酬の朗読は著作権法 38 条 1 項に定める例外に該当し、学校・図書館・地域ボランティアなどが無料で絵本を読み聞かせる行為は原則合法です。ただし「録画して後日アップロード」や「ライブ配信」は公衆送信に該当し、同条の保護範囲外となるため注意が必要です。朗読を収益化コンテンツとして扱う場合は、出版社の公開ガイドラインに従うか、個別にライセンス契約を締結しましょう。
紹介に関する著作権――書評・レビューで表現の境界線を守る
「書評」や「レビュー」は自分の感想・意見を述べる行為であり、他者の著作物の“表現”そのものを大量に使用しなければ基本的に合法です。ただし、引用要件を満たさない長文抜粋や、作者独自の言い回しを転載する行為は複製権を侵害します。引用の適法性を確保するためには以下を守ってください[5]。
- 自己の主張・評論が主体であり、引用部分は従属的であること
- 引用部分をカギ括弧や段落分けなどで明確に区別すること
- 出典(書名・著者名など)を明示すること
- 引用は「目的上正当な範囲」に限ること(必要最小限)
特に漫画やイラストは 1 コマ・1 枚でも著作性が強いため注意が必要です。表紙画像をブログのサムネイルとして無断転載する行為も、図画の複製・送信に当たり侵害リスクを伴います[6]。出版社が公式に提供する書影データがある場合、そちらを利用するか、事前承諾を取得しましょう。
法律リスクを避けるための具体的対策
- 許諾取得を優先
不明点がある場合は著作権者(著者・出版社)に連絡し、書面で許諾を得ることが最良のリスクヘッジです。出版社によっては「試し読み公開可能ページ数」や「朗読申請フォーム」を整備しているケースもあります。 - 適法引用の徹底
引用範囲を必要最小限に留め、出典を明記。長文を丸ごと引用しない。 - パブリックドメイン/CC ライセンス活用
著作権保護期間の満了した作品や、クリエイティブ・コモンズ表示作品を活用すれば、全文朗読や詳細解説も合法かつ自由度が高い。 - リーガルチェック
ビジネスで情報発信を行う場合、顧問弁護士や著作権専門家に事前審査を依頼することで、後日の削除要請や損害賠償を回避しやすくなります。 - 読者誘導型コンテンツ
要約の目的を「原作購入の動機づけ」にフォーカスし、詳細部分は意図的にぼかす。読者を出版社公式サイトやオンライン書店へ誘導するリンクを掲載すれば、権利者にもメリットが生まれ、トラブルになりにくい構成となります。
知財の収益化――著作権ビジネスと特許マネタイズの交点
著作権はクリエイター・出版社に経済的対価をもたらす源泉であり、無断利用が横行すると市場全体の収益が毀損します。逆に言えば、権利を適切に管理し、ライセンス契約や二次利用を戦略的に行えば「知財の収益化」は十分可能です。
同様に、企業や大学が保有する特許は放置していても収益を生みませんが、ライセンスや売却によって第三者利用を促すことで研究開発投資を回収し、新たなキャッシュフローを得られます。これは法的独占性をもつ知的財産(IP)を“資産”として捉え、戦略的にマネタイズするアプローチです。
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(この記事はAIを用いて作成しています。)
参考文献
[1] 文化庁「著作権なるほど質問箱 Q&A」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/qa/
[2] 朝日新聞デジタル「『ファスト映画』投稿者ら逮捕、業界被害 900 億円」 https://www.asahi.com/articles/ASP6S6WS9P6SUTIL00V.html
[3] 原総合法律事務所「オンライン朗読・読み聞かせと著作権」 https://www.haralawoffice.com/archives/5365
[4] NHK ニュース「“読み聞かせ動画の無断公開やめて” 出版各社が呼びかけ」 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200420/k10012397691000.html
[5] BUSINESS LAWYERS「著作権法 32 条の引用要件まとめ」 https://www.businesslawyers.jp/practices/506
[6] Corporate-legal.jp「絵本読み聞かせ動画、著作権侵害のケースも?出版社の対応」 https://www.corporate-legal.jp/news/4722

