スタートアップ投資と知財:エンジェル投資家やVCの目線

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

本記事では、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル(VC)がスタートアップ企業への投資判断において知的財産(知財)を重視すべき理由を、新たな価値の創出人材流動性M&AやIPOへの影響アライアンスでの有利性の4つの観点から解説します。知財は革新的なアイデアを守り企業の成長を支える重要資産であり、その適切な戦略は投資リターンの最大化にも直結します。

目次

知財による新たな価値の創出

スタートアップの競争力は独自の技術やアイデアに支えられています。そのため、これらを保護する知財戦略は新たな価値創出の要となります。実際、革新的なアイデアや技術をいかに適切に保護し資産化できるかがスタートアップの成功に大きく影響するとの指摘もあります[1]。知財権(特許、商標、著作権、営業秘密など)を確保することで、他社が同じアイデアを模倣することを防ぎ、市場での独自性と競争優位性を維持できます。

これは新規ビジネスモデルや製品から付加価値を生み出し、スタートアップが市場で確固たる地位を築く土台となるのです。また、知財は単なる防御手段に留まらず、ライセンス提供などを通じて他社との協業から新たな収益源を生み出す可能性もあります。つまり、知財を核に据えることで、スタートアップは自社のイノベーションを最大限に活用し、新しい価値を創造できるのです。

人材流動性と知財:知識の継承と価値維持

スタートアップは人材の入れ替わりが激しく、創業者やキーパーソンが退職・離脱するリスクとも隣り合わせです。このような「人材流動性」の高い環境下でも、知財を適切に管理しておけば企業価値を維持できます。例えば、社員が退職しても、特許などの知財権が会社に帰属していれば、その社員が生み出した技術やノウハウは会社の資産として残ります。知財の保有によって、重要技術が人とともに流出するのを防ぎ、コア技術が社内に蓄積される仕組みが構築できるのです。

また、知財をしっかりと社内に確保している企業は、投資家から見ても魅力的です。独自技術に対する独占的な権利を持ち、他社への優位性を証明している企業は、将来にわたって安定した事業継続が期待できるからです。実際、知財を適切に保有することは競争優位の確保だけでなく、ライセンス収入などによる収益源の創出にもつながり、こうした点が投資家に評価されるとされています[2]。

さらに、自社が知財権を持っていれば、従業員や共同創業者が離れる際に技術やアイデアが流出してしまうリスクも低減できます[2]。このように、知財は人材流動性の高いスタートアップにおいて、知識資産の継承と企業価値の維持に不可欠な役割を果たします。

知財がM&AやIPOに与える影響

スタートアップにとって最終的なエグジット(出口戦略)として、他社による買収(M&A)や新規株式公開(IPO)は大きな目標です。これらの局面でも知財は企業価値評価の重要なポイントとなります。特にイノベーション主導型のスタートアップでは、有形資産よりも知財に代表される無形資産が企業価値の大部分を占める傾向が強まっています。知財は無形資産であり、その充実度が企業の評価額に直結します。実際に、知財を有するスタートアップは将来的にM&AやIPOを目指す際に高い企業価値を実現しやすくなるとも言われています[1]。買収を検討する事業会社や株式市場の投資家は、対象企業が独自の知財を保有しているかを重視し、それが将来の安定収益や競争優位につながると判断すれば、より高いプレミアムを支払う傾向があります。

また、知財はデューデリジェンス(資産精査)でも注目され、不備があれば取引に支障を来すこともあります。特許庁のガイドラインでも、知財戦略に瑕疵があると提携や買収交渉の成否を左右し、場合によっては取引価格のディスカウント要因にもなり得ると指摘されています[3]。逆に言えば、知財が適切に整備されたスタートアップは交渉を有利に進めやすく、M&Aでは高い買収額、IPOでは市場から高い評価を獲得しやすくなるのです。

アライアンスにおける知財の有利性

近年、大企業がスタートアップの技術やアイデアを取り入れるオープンイノベーションが盛んになっています。大企業はスタートアップとの協業によって自社に不足する技術やビジネスモデルを取り込み、スタートアップ側は大企業の資金力や顧客基盤といったリソースを活用できるという相互補完の関係が生まれています。この協業関係においても知財は大きな武器となります。独自の知財を有していれば、スタートアップは提携交渉で主導権を握りやすくなります。自社の特許技術を背景に「この技術は当社にしか提供できない」とアピールできれば、提携条件やライセンス料率の交渉を優位に進めることが可能です。

その一方で、知財戦略が不十分な場合、提携交渉が難航したり提携自体が流れてしまうリスクもあります。実際、知財体制に不備があることで連携・買収のチャンスを逃したケースも報告されています[3]。大企業側から見ても、知財のクリアランス(権利関係の明確化)がされていないスタートアップとの協業はリスクが高いため敬遠されがちです。逆に知財が整理されたスタートアップであれば安心して連携でき、互いのリソースを生かしたシナジー創出に集中できます。

例えば、大手通信企業のKDDIはスタートアップ支援において「発明の権利はすべてスタートアップに渡す」という方針を掲げています[4]。これは提携によって生まれた技術の権利をスタートアップ側に持たせることで、そのスタートアップが知財を武器に事業を発展させやすくする狙いがあります。このような取り組みは「スタートアップファースト」の姿勢として高く評価されており、結果的に大企業とスタートアップ双方にメリットをもたらしています。知財を軸に据えた公正なアライアンスは、新規事業の創出や市場拡大において強力な推進力となるでしょう。

知財の収益化と投資家にとっての魅力

知財は防御や交渉カードとしてだけでなく、直接的に収益を生み出す資産としても注目されます。スタートアップにとって自社開発の技術や特許を自社製品だけでなく他社にも利用許諾することは、貴重な収益源となり得ます。例えば、ある技術を自社で事業化するリソースがない場合でも、特許として保有していればライセンス契約を通じてロイヤリティ収入を得ることができます。同様に、未使用の特許を必要とする企業に売却すれば一時金収入を得ることも可能です。このように、知財の収益化にはいくつかの手法があります。

  • ライセンス供与:特許や技術を他社に使用許諾し、対価(ロイヤリティ)を得る
  • 知財の売却:特許ポートフォリオを売却し、一括の譲渡収入を得る
  • その他の活用:商標のフランチャイズ展開や、知財を担保に資金調達(知財金融)を行う など

これらの収益化オプションは、スタートアップに追加のキャッシュフローをもたらすだけでなく、事業が軌道に乗らなかった場合のリスクヘッジにもなります。実際、特許の売却やライセンスによって投資家が出資分を回収できた事例も存在し、特許資産があったおかげで倒産時に投資損失を抑えられたというケースも報告されています[5]。また近年では、銀行が特許権などを担保に融資を行う「知財金融」の取り組みも拡大しており、知財の価値を資金調達に結びつける動きが進んでいます。特許はスタートアップが「万が一」の際に手放して現金化できる資産であり、この点は投資家にとって出資リスクを下げる要因となります。また知財を有すること自体、前述のように事業の成長可能性を示す指標ともなり、投資家からの信頼感を高めます。

まとめ

以上の通り、総じて、知財はスタートアップにとって将来的な成長のエンジンであると同時に、投資家にとっても魅力的な投資対象となる重要資産なのです。

最後に、特許をお持ちの方へのご案内です。ご自身が保有する特許を活用したいとお考えの方は、特許の売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」に特許を無料登録することができます(https://patent-revenue.iprich.jp)。知財の適切な活用と収益化をサポートする当サービスをぜひご活用ください。

(この記事はAIを用いて作成しています。)


参考文献

  1. https://biz.moneyforward.com/ipo/basic/11604/ – スタートアップの知財戦略の重要性は?競争力強化と成長のポイントを解説
  2. https://www.purduegloballawschool.edu/blog/news/intellectual-property – Intellectual Property Rights of Employees: Who Owns IP?
  3. https://www.jpo.go.jp/support/startup/document/index/venture_tebiki.pdf – ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き
  4. https://ipbase.go.jp/specialist/workstyle/page55.php – 発明の権利はスタートアップに。KDDIが実践するスタートアップ知財支援のあり方とは
  5. https://www.wired.com/2011/08/startups-fail-sell-patents/ – When Startups Fail, Investors Recoup by Selling Patents
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