特許ライセンスのススメ:自社製品なく収益を得る方法

株式会社IPリッチのライセンス担当です。
自社製品を持たなくても特許を活用して収益を得る方法について解説します。本記事では、特許ライセンスの仕組みやメリット、具体的な進め方、そしてAIや医療、IT、機械、環境技術など様々な分野の成功事例をご紹介します。自社製品がない個人発明家や中小企業の方でも、特許を眠らせずにビジネスに役立てるためのヒントが見つかるでしょう。
特許ライセンスとは:自社製品なしで収益化する仕組み
特許(特許権)とは、新しい技術や発明に対して国から与えられる独占的な権利です。特許権者(発明者や企業)は、特許技術を一定期間独占的に実施でき、他社による無断使用を排除できます。自社でその特許技術を使って製品化するだけでなく、他社に使用を許可して対価を得ることも可能です。このように、自分の特許を他者に使わせてロイヤリティ(実施料)を受け取る契約が「特許ライセンス」です。
つまり、自社で製品化・事業化しなくても、特許を他社に活用してもらうことで収益を得られる仕組みです。この特許ライセンスによる収益化モデルは、AI(人工知能)、医療、IT、機械、環境技術などあらゆる分野で活用できます。実際、多くの特許は権利を取得しただけで活用されていないとも言われ、発明者や中小企業が自ら事業化できず「眠ったまま」の特許も少なくありません。特許ライセンスは、こうした眠れる特許資産を動かす有効な手段であり、発明者と技術を必要とする企業の双方に利益をもたらすWin-Winの関係を築けると世界知的所有権機関(WIPO)も解説しています[1]。
特許ライセンスのメリット:自社製品がなくても得られる利点
自社製品を持たずに特許をライセンス供与することには、様々なメリットがあります。主な利点を以下に挙げます。
- 大きな初期投資が不要: 製造設備や在庫、販売網を自前で用意する必要がないため、事業立ち上げのコストを大幅に抑えられます。他社に技術提供するだけなので、自社で工場を建てたり大量生産したりする負担がありません。
- 低リスクで収益化: 製品化のリスクや市場競争のプレッシャーはライセンシー(実施企業)が負います。特許権者は研究開発に専念しつつ、成功すればロイヤリティ収入を得られるため、自ら製品を開発・販売する場合と比べてリスクが低く抑えられます。
- 継続的なロイヤリティ収入: ライセンス契約を結べば、特許実施者から売上に応じた一定割合(一般に売上の3〜5%程度とされます[7])のロイヤリティを継続的に受け取れます。製品の売上が伸びれば、それに伴って収入も増加し、長期的な安定収入源となります。
- 複数企業への展開で収益拡大: 特許の通常実施権(非独占的ライセンス)であれば、同じ特許を複数の企業にライセンスできます。一社あたりのロイヤリティ料率は小さくても、複数社から収入を得ることで合計収益を増やすことが可能です。用途や地域ごとに別々の企業にライセンス供与する戦略も考えられます。
- 自社製品開発の負担がない: 発明者は製造やマーケティングなど自社製品を形にするプロセスを他社に任せられるため、自身は新たなアイデア創出や研究開発に注力できます。経営資源の限られた中小企業や個人発明家にとって、自社製品を持たずに収益を得られることは大きな利点です。
- 技術の普及と社会貢献: ライセンスを通じて自らは製品化できない技術が世に出ることで、社会に役立つイノベーションの普及が促進されます。例えばWIPOが運営する「WIPO GREEN」は、環境技術の提供者と導入ニーズをマッチングすることでグローバルな技術移転を促進するプラットフォームとして2013年に設立されました[6]。このように、特許ライセンスは収益だけでなく社会課題の解決にも寄与し得ます。
こうしたメリットにより、特許ライセンスは発明の価値を引き出す強力な手段となっています。実際、米国のQualcomm社のように特許ライセンス収入を主要な収益源とする企業も存在します。同社ではある時期、総収益の半分以上が特許ライセンス料によるものだったと報道されています[2]。
自社製品なしで特許ライセンス収益を得るステップ
では、自社製品がない状況で特許ライセンスによる収益化を図るには、具体的にどのように進めればよいでしょうか。基本的な手順を以下に示します。
- 特許の取得・権利化: まず発明について特許を出願・取得し、自分がその技術の権利を保有している状態にします。特許出願中でもライセンス交渉は可能ですが、権利が確定している方が交渉は有利になります。自社製品がなく技術のみを持っている場合でも、特許という形で権利化しておくことが重要です。
- 市場ニーズの調査と企業リストアップ: 自分の特許技術が活用できそうな業界や用途を調査し、その分野で技術を必要としそうな企業を洗い出します。競合特許や代替技術の存在も把握し、自分の特許の優位性を分析します。特許の実施によってメリットを得られる企業が誰なのかを見極めましょう。
- アプローチと提案: ライセンス先になり得る企業に対して、自分の特許を提案します。技術の内容や利点を分かりやすくまとめ、企業にとってのビジネス上のメリット(コスト削減、新製品開発の加速、競争力強化など)を示します。直接コンタクトする方法に加え、特許マッチングサイトや仲介企業を活用するのも有効です。秘密保持契約(NDA)を締結して詳細情報を開示し、相手に採用を検討してもらいます。
- ライセンス契約の交渉・締結: 関心を示した企業と具体的な契約条件を交渉します。ライセンスの範囲(独占か非独占か、地域・用途の限定)、ライセンス料率(固定額か売上比例か)、一時金の有無、契約期間、特許の維持管理責任などを取り決めます。自社製品がない個人や中小企業の場合、契約交渉では専門の弁護士や弁理士の助言を得ると安心です。双方合意に至ればライセンス契約を正式に締結します。
- 契約後のフォローと収益管理: ライセンス契約締結後、ライセンシー企業は特許技術を用いて製品化やサービス提供を行います。特許権者は契約に基づき定期的にロイヤリティ報告・支払いを受け取り、その履行状況をモニタリングします。また、自分の特許が適切に活用されているかや、必要に応じて追加支援や技術協力を行うこともあります。契約違反や特許侵害の問題が生じた場合には、契約に則り適切に対処します。
自社製品を持たない特許ライセンス成功事例
自社製品を持たずに特許ライセンスで成功した例として、以下のような多彩な事例が知られています。
- 米国の発明家が玩具特許で巨額ロイヤリティ: アメリカの元技術者ロンニー・ジョンソン氏は、子供向けの水鉄砲玩具「スーパーソーカー」を発明しました。しかし自社で製品化する資金がなく、複数の玩具メーカーに売り込んだ結果、大手ハスブロ社が製品化を実現しました。ジョンソン氏は特許ライセンス契約により製品売上に応じたロイヤリティを受け取り、支払い不足を巡る訴訟を経て最終的に約7,300万ドル(約80億円)のライセンス収入を得ることに成功しました[4]。この資金を元に自身の研究会社を設立するなど、発明の収益化に大きく貢献した例です。
- 大学が検索アルゴリズム特許をライセンス: 米スタンフォード大学は、学生であったラリー・ペイジ氏らが開発したウェブ検索アルゴリズム「PageRank」に関する特許を保有していました。1998年、創業間もないグーグル社に対しこの特許を独占的にライセンスし、その対価として同社の株式約180万株を受け取ります。大学はその株式を後に売却し、結果として約3億3,600万ドル(約400億円)の収益を得たと報じられています[3]。大学による特許ライセンスが巨額のリターンを生んだ好例として知られています。
- 日本の大学が画期的新薬の特許をライセンス: 京都大学の本庶佑特別教授らの研究チームが発見した「がん免疫療法」の技術は、新薬オプジーボ(一般名ニボルマブ)として製品化されました。この治療法に関する特許を京大が製薬企業にライセンスした結果、大学に数十億円規模の特許収入がもたらされたとされています[5]。本庶教授および大学に入ったライセンス収入は研究資金にも充てられ、社会に貢献した発明が経済的リターンも生んだ好例です。
- 通信技術企業が特許ライセンスを収益柱に: 米Qualcomm(クアルコム)社は、自社が開発した携帯電話の通信技術に関する基本特許を世界中のスマートフォンメーカーにライセンス供与し、それを主要な収益源としています。同社ではある時期、収益の半分以上が特許ライセンス収入によるものだったと報道されています[2]。無形資産のライセンスによって巨額の利益を上げるビジネスモデルを築いている代表例と言えるでしょう。
ライセンス戦略で自社製品がなくても広がる可能性
自社製品がなくとも、特許ライセンス戦略を活用することで発明の価値を最大化し、新たな収益源を得ることが可能です。自ら生み出したアイデアを眠らせず必要とする企業に橋渡しすることで、ビジネスチャンスと社会への貢献という両面で大きな可能性が広がるでしょう。特許をお持ちの方は、特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」(https://patent-revenue.iprich.jp)に特許を無料登録して、「自分の特許で稼ぐ」第一歩を踏み出してみてください。
(この記事はAIを用いて作成しています。)
参考文献
- World Intellectual Property Organization『Successful Technology Licensing』WIPO出版906号, 2015年. https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/licensing/906/wipo_pub_906.pdf
- Reuters (2014年7月24日)「China regulator determines Qualcomm has monopoly: state-run newspaper」(Qualcomm社の収益の半分以上が特許ライセンス収入によるとの指摘). https://www.reuters.com/article/us-qualcomm-china-idUSKBN0FT0B820140724
- San Jose Mercury News (2005年12月1日)「Stanford Earns $336 Million Off Google Stock」(スタンフォード大学がGoogle株売却益3億3600万ドルを得たと報道). https://www.mercurynews.com/2005/12/01/stanford-earns-336-million-off-google-stock/
- The Atlanta Journal-Constitution (2013年11月6日)「Super Soaker creator awarded $72.9M from Hasbro」(スーパーソーカー発明者がハスブロから7290万ドルの支払いを獲得). https://www.ajc.com/business/super-soaker-creator-awarded-from-hasbro/DXe6Hm6bd0MILKIbsKNfaM/
- 日本経済新聞 (2018年10月6日)「京大オプジーボ特許収入 本庶氏発明がもたらす恩恵」(本庶佑氏の特許ライセンス収入に関する報道). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36197650W8A001C1AC1000/
- WIPO Magazine「WIPO GREEN:環境に優しいイノベーションと技術移転の支援」(環境技術のグローバルな技術移転を促進するWIPOのプラットフォームに関する記事). https://www.wipo.int/ja/web/wipo-magazine/articles/wipo-green-supporting-green-innovation-and-technology-transfer-41277
- 知財タイムズ (2024年5月12日更新)「特許のライセンス料っていくら?特許使用料の相場を解説!」(特許ライセンス料の一般的な相場に関する解説記事). https://tokkyo-lab.com/co/info-license

