未来のテクノロジーと特許 – AIやブロックチェーンはどう保護される?

株式会社IPリッチのライセンス担当です。

今回は、AI(人工知能)やブロックチェーンといった先端技術がどのように特許で保護され得るのか、そのポイントを解説します。AIアルゴリズムやブロックチェーン技術はビジネスの現場で活用が進む一方、知的財産として守るには工夫が必要です。本記事では最新動向や実例を交え、経営者や起業家の皆様が自社の技術を守り活かすための実用的な知識を提供します。

目次

AI技術の特許保護の現状

AI関連の技術開発は近年飛躍的に拡大し、それに伴い特許出願も急増しています。日本特許庁の調査によれば、2014年以降AI関連発明の特許出願件数は急激に増加し、2022年には約10,300件に達しました【1】。特にディープラーニング(深層学習)を用いた発明が多く、画像処理・認識分野(特許分類G06TやG06V)がAI特許の主要分野となっています【1】。このようにAIは医療診断から自動運転、金融まで幅広い領域で活用され、各分野で関連特許が生まれています。

AI技術の特許を取得するには、ソフトウェア特許としての要件を満たすことがポイントです。日本を含む多くの国では、アルゴリズムそのものや数学的手法は抽象的概念としてそのままでは特許になりません。しかしAIを用いた技術効果のある具体的な発明であれば特許対象になり得ます。例えば「画像認識AIを組み込んだ検査装置」のように、AIアルゴリズムが具体的装置や方法に組み込まれ、産業上の技術的効果を奏する場合には特許として認められやすくなります。実際、各国の特許庁はAI関連発明の審査ガイドラインや事例集を公開し、技術的特徴の記載や進歩性の判断ポイントを示しています。日本特許庁も審査ハンドブックにAI事例を追加するなど対応を進めています【1】。

また、AI特許出願では十分な開示(ディスクロージャー)が重要です。AIのモデル構造や学習方法、データの特徴などを具体的に記載しないと、「再現できない発明」と判断され特許要件である実施可能要件を満たさないおそれがあります。ブラックボックスになりがちなディープラーニング技術も、可能な限り詳細に記述することが求められます。例えば「どのようなデータで学習し、モデルがどのような構造・パラメータを持つか」まで示すことで、審査官に発明の具体像を伝えることができます。

AI分野の特許競争にも目を向ける必要があります。世界的には大企業がAI関連特許を牽引しており、IBMやマイクロソフトといった企業は数千件規模のAI特許を保有してトップランナーとなっています【2】。自社のAI技術を守るには、競合他社の特許動向を調査し、早めの出願戦略を立てることが大切です。特にAIは進歩が速いため、革新的なアイデアは公開前に出願し、権利化しておくことで模倣や競合の参入に備えることができます。

ブロックチェーン技術の特許動向

ブロックチェーンはビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)を支える技術として登場し、その後金融、物流、IoTなど様々な分野へ応用が広がっています。ブロックチェーン関連の特許出願件数も2010年代に入ってから急増しました。例えば、世界全体で見ると2013年にわずか27件だった関連出願が、2015年に258件、2016年には594件と毎年2~3倍のペースで増加しています【3】。2018年初時点で主要5か国(IP5)における累計公開件数は1,248件に達しました【3】。

ブロックチェーン特許の地域別動向を見ると、出願の約78%が米国と中国によって占められており、日本は数%程度と少ない状況でした【3】。近年もアメリカ・中国企業がこの分野の特許をリードしています。特に中国のアリババグループや米国のIBMは関連特許を数多く出願してきた代表例です。2020年にはアリババが米IBMの10倍以上のブロックチェーン特許を申請し、年間の公開件数でIBMを追い抜く勢いであることが報告されました【5】。アリババはクロスチェーン(異なるブロックチェーン間の連携)や音楽著作権管理へのブロックチェーン応用など、多様なテーマで特許を取得しています【5】。

ブロックチェーン技術の場合、その基本となる分散型台帳の概念自体は既に公開・普及しており、オープンソース化された自由技術です【3】。したがって、ビットコインそのものの仕組みのようなコア部分は特許で独占することはできません。各社が出願しているのは、ブロックチェーンを活用したセキュリティ向上技術や取引の高速化、応用分野での具体的手法など周辺技術が中心です【3】。

AI・ブロックチェーン特許を取り巻く課題

最先端技術であるAIやブロックチェーンの特許保護には、法律や制度上の課題も存在します。代表的なものの一つが発明者の扱いです。AIが自律的に生み出した発明について、「発明者」を誰とするかは各国で議論となりました。結論として現行の特許法では発明者は自然人(人間)に限られるとの判断が一般的です。例えば日本では、AIが考案した発明について人間以外を発明者とした特許出願がなされた事案で争いが起こりましたが、2024年の東京地方裁判所の判決は「特許法上の発明者は人間に限られる」と明確に示しました【4】。

技術公開と特許の関係も課題です。AIやブロックチェーンは研究者コミュニティでオープンに共有・発表されることが多く、その結果、新技術の詳細が論文やOSS(オープンソースソフトウェア)として公開されてしまうケースがあります。特許制度では新規性が失われた発明(すでに公開された技術)は特許取得ができません。そのため、先端技術分野の発明者は発表や公開のタイミングに注意し、発表前に特許出願を済ませておく戦略が求められます。

AI・ブロックチェーン特許の戦略的活用

AIやブロックチェーン分野で事業を展開する上で、特許を戦略的に活用することが競争優位につながります。

  • 技術の独占的保護:コア技術を早期に出願し、特許で守ることで事業の差別化を図る。
  • 公開と秘密の使い分け:全てを出願せず、一部は営業秘密として秘匿する判断も重要。
  • 競合他社の特許動向の把握:無効リスクや侵害リスクを減らすため、先行特許をリサーチ。
  • グローバル出願:海外市場での展開を見据えた国際出願(PCT)の活用。
  • ライセンス・売却による収益化:自社では使わない特許も、他社にとっては宝の山。

まとめ

AIやブロックチェーンの先端技術でも特許制度を上手に利用することで、自社のイノベーションを保護しビジネスの発展に役立てることができます。技術動向や法制度の変化にもアンテナを張りながら、知的財産戦略を事業計画に組み込んでいきましょう。なお、保有する特許を収益化したい方は、特許売買・ライセンスプラットフォーム「PatentRevenue」(https://patent-revenue.iprich.jpへの無料登録もご検討ください。

(この記事はAIを用いて作成しています。)

参考文献

  1. 特許庁「AI関連発明の出願状況調査」(2024年10月)
     https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/ai/ai_shutsugan_chosa.html
  2. WIPO “Technology Trends 2019: Artificial Intelligence”
     https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo_pub_1055.pdf
  3. 日本貿易振興機構(JETRO)「ブロックチェーン、中核・標準特許の確保が急務」(2018年3月21日)
     https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip/ipnews/2018/180321a.html
  4. 長島・大野・常松法律事務所「AIの発明者性について判示した東京地裁判決」(2024年5月21日)
     https://www.noandt.com/publications/publication20240521-1/
  5. CoinDesk Japan「アリババ、世界最多のブロックチェーン特許を保有──IBMを追い抜く:調査報告」(2020年9月21日)
     https://www.coindeskjapan.com/80874/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次